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二百八十三話そう思う俺は悪くない筈

「・・・・・・幻の果実。これってもしかしてザハークが言ってた奴か?」


地上へ戻り討伐依頼の完了を確認した後日、ソウスケは適当に時間を潰す為にギルドへ来ていた。

そして偶々目に入った依頼書に一枚の内容が先日仲間と話していた内容の物のように思えた。


「つか、依頼達成料白金貨一枚って・・・・・・それだけ価値があるって事なのか?」


日本円に換算すると一つ一億円の果実。

そう考えるだけでソウスケは頭がクラクラとしてきた。


(いや、この世界のモンスターの肉やそういう物に対する価値が高い事は解っていたけど、それでも一つに一億円とか・・・・・・やっぱりちょっと頭可笑しいだろと思ってしまう俺は悪くないと思う)


一つの依頼書をボーっと見ているソウスケに一人の冒険者が声を掛けてくる。


「君もこの依頼を受けるつもりなのかい?」


「・・・・・・いえ、そんなつもりは無いです。ただ果実一つに白金貨一枚も出すなんてどれだけ美味いのかと思って」


「確かにそうだよな。俺もその幻の果実って奴を仲間と探した事があったけど、それらしいのは見つからなかったよ」


名前に幻とつくだけあって簡単には見つからないと解る。

しかし依頼内容の詳細には果実の見た目や色、どの階層で現れるのか等の情報が全く書かれていない。


(白金貨一枚を報酬にするくらいだから本気で欲しいんじゃないのか? でも依頼者は子爵家か・・・・・・それぐらいの位の人ならば別にそこまで大した金では無いのか)


依頼書に果実の情報が書かれていない。

その事にソウスケが不思議に思っているとそれを察した冒険者がニヤッと笑いながら書かれていない理由を教える。


「この子爵様は結構グルメな人らしいんだ。この幻の果実っていうのも何代か前の当主が食べた果実らしい。それで子爵家自体はどんな果実なのか情報は知っているらしいけど、報酬を騙し取ろうとする冒険者が結構多かったらしいんだ」


「だからワザと情報を伏せているんですか?」


「らしいね。それとその情報に照らし合う果実では無くとも、上等な果実であればそれ相応の値段で買い取るらしいから未だに一定数はその果実を探そうと頑張っている冒険者もいるんだ」


(・・・・・・普通に良識のある貴族ではあるんだな。幻の果実なぁ・・・・・・食えるなら俺も食ってみたい。まぁ、白金貨一枚ぐらいはエアーホッケー一台造れば普通に手に入るし態々クエストを受ける必要は無いな)


依頼書の適性ランクはCとなっているため、ソウスケの冒険者ランクでは無茶振りも良いところ、というのが外野の認識となる。


(もしかしてだけど、適性ランクがCって事で皆二十階層から三十階層辺りで果実を探してるから中々見つからないのか? いやいや、そもそもザハークの話に出てきた花や果実がこの依頼書の幻の果実に関係があるのかそもそも解らんし)


依頼書に興味が無くなったソウスケはギルドから出て行こうとしたが、隣にいた冒険者がソウスケを呼び留める。


「なぁ、折角ギルドに来たんだから一緒に訓練場にでもいかないか?」


突然の誘いにソウスケはその男の真意を考えた。


(いきなりの誘いだな・・・・・・目的は俺と一緒に居るミレアナかザハークか?)


髪型を変えて多少は嘗められなくなったかもしれないが、それでも容姿がまだ子供であることは変わらない。

そんな自分と関わる事に利は無い。それがソウスケの認識だった。


(今日は別にハイリアを着ていないし・・・・・・もしかしてこのグラディウスを見て思うところがあったのか?)


今日のソウスケの服装で一つランク不相応な物と言えばコボルトキングの素材を使って作られたグラディウス。

鞘はそこまで豪華の物ではないが、それでも解る者が見ればルーキーが持つような武器では無いと解るかもしれない。


「・・・・・・良いですよ」


迷った末、ソウスケは暇つぶしとして訓練場へ行く事にした。

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