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二百五十八話最初に教え、伝える

「どうだ。以前より簡単に倒せただろ」


「はい。何と言いますか・・・・・・ゴブリンの動きがよく見えました」


「それはフォルスがゴブリンの全体の動きをしっかりと見れているからだ。その調子でどんどんモンスターを倒していくぞ」


ゴブリンにダッシュボア、スライムやホーンラビットにコボルト。

相手の形態は違えど、フォルスは難無くモンスターを次々に倒していく。

脚力強化のスキルと風の魔力を解禁したフォルスに対し、十階層より手前で現れるモンスターの中で真面に戦える奴は殆どいない状態になっていた。


この調子なら十階層よりも下の階層のモンスターと戦わせても良いかもしれないとソウスケは思っていたが、丁度のタイミングで魔力が切れてしまった。


「もう完全に魔力は無さそうか?」


「そうみたいですね。身体強化や脚力強化のスキルも使えません」


「おーけー。それがお前の今の魔力総量って事だ。魔力を回復させるポーションを持っていたとしても、あまり使い過ぎるなよ」


魔力回復のポーションを持っていたとしても、もし戦闘中に魔力が切れてしまった場合にポーションを飲める確約は無い。


「はい! ただ、使うべき時には使え。そういう事ですね」


「そうだ。明らかにスキルを使わない自分の力では敵わないと感じたら直ぐに使え。魔力の残量を気にし過ぎて死んだとか洒落にならないからな」


戦いに勝つ事が出来る力があると言うのに、その力を出し渋った為に自身、又は仲間の命を失うなど愚の骨頂。


「それと・・・・・・今お前の実力、考え方は仲間の二人より頭一つ二つ抜けている。だからこれからお前が二人と冒険する事になんでそここうしないんだ、どうしてそこで対応が遅れるんだとか思ってしまうかもしれない。ただ、それはお前に教えた考えや二日という短い期間だが磨いた技術と経験があるからそう感じるだけだ」


フォルスの仲間であるノールットとキガラにもスキルの書は渡しているが、しっかりとした指導はしていない。


「だからお前が得た経験や考えをまず二人に伝えろ。それで以前と考え方や戦い方が変わったなら焦って下に進まず今まで戦って来た階層で連携を整えるんだ。まぁ、それぐらい言わなくても解ってるかもしれないけどな」


「いえ、大切なアドバイス有難う御座います!!!!」


「だからそんな仰々しく頭を下げるのは止めてくれ。俺はそこまで大した事を言った訳じゃないから」


人に感謝されるのは嬉しいが、フォルスの様に腰を九十度に折って感謝されるのは流石にむず痒いものがあった。

それにソウスケとしてはフォルスにしょうもない理由で仲間と喧嘩して欲しいくない。


(けど・・・・・・仮にノールットとキガラと別れても、今のフォルスの接近戦での実力はそこそこある。対人戦に関しては俺としか摸擬戦をしてないから何とも言えないけど、戦力としては十分なものだろう)


接近戦での実力が冒険者ランクと比べて頭一つ抜け、確実にダメージを与えられる遠距離攻撃も覚えたフォルスは戦闘要員としては将来性も含めかなりの価値がある。


(まっ、そこまでは俺が面倒を見る範囲を超えてるか。そっからどうするかはフォルスの意思次第だ)



ダンジョンから速攻で地上に戻ったソウスケはフォルスの実家で晩飯をご馳走になり、宿へと戻った。

そしてまだソウスケが起きている時間帯にミルシェとザハークがダンジョンから戻って来たので、二人には明日のフォルスの訓練に参加して欲しいと伝えた。


二人はソウスケからの申し出に断る理由が無いので二つ返事で了承する。


そして翌日・・・・・・フォルスは朝からダンジョンで一日中ソウスケ達と摸擬戦を繰り返すという永遠に続くのでは思ってしまう程の回数を行う事になった。

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