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二百五十七話圧倒的な速さで

一通りの技を教え、摸擬戦を行った翌日にソウスケはフォルスを連れてダンジョンに来ていた。

ただし、一階層から四階層の間に現れるモンスター程度の強さでは戦う意味がないと思ったソウスケはフォルスをおんぶし、最速の速さで五階層へと向かった。


ソウスケから理由を聞かされたフォルスはおんぶされる事に抵抗は無かったが、ソウスケの走る速度が予想していものより圧倒的に速かった。

ソウスケが全力で走っている最中、フォルスは目を閉じてソウスケの背中から剥されない様に必死だった。


「よし、ようやく着いたな。大丈夫か、フォルス?」


「は、はい・・・・・・普通のなんとか、大丈夫です」


口では大丈夫と言いながらも、地面に足を着いたフォルスはフラフラとしている。


「す、すまん。俺が背負って走った方が速いと思っていたが、乗り心地までは考えていなかった」


「ほ、本当に大丈夫です。ソウスケさんに背負って貰った方が断然速かったので」


もし仲間の二人とモンスター等を無視して全速力で五階層を目指しても、ソウスケの様な短時間で五階層に辿り着くのは絶対に無理だとフォルスは心の底から思う。


(レベル差やスキルの有無も関係有るのだろうけど、あまりにも走る速度が違い過ぎる)


もう一度ソウスケと自分との力の差が身に染みて解ったフォルスはややフラフラとする体に気合いを入れ、しっかりと地面を踏みしめる。


「ここら辺のモンスターなら今のフォルス相手に手頃なモンスターがいる筈だ。いきなり脚力強化のスキルを使っても良いかもしれないが、それだとあまり自分が成長しているか実感できないだろうから・・・・・・始めは脚力強化のスキルを使わずに戦ってみてくれ。あっ、もしフォルスが危ない状況になっても直ぐに助けに入るからそこは安心してくれ」


「はい、分りました!!!」


ソウスケ程の実力者が危険な状況になれば助けに入ってくれると分ったフォルスは自然と安心感を得ていた。


そして歩く事五分、早速手頃なモンスターなゴブリンと遭遇する。

しかも数は一体と好都合。


「チャンスだな。フォルス、気配を消して不意打ちで殺すんじゃない。相手に自分の存在を気付かせて真正面から倒してみろ」


「はい!!」


気合十分といった表情でフォルスはわざと足音を立てながらゴブリンに近づいて行く。

フォルスの存在に気が付いたゴブリンは方向を転換し、左手に持っている棍棒を構えて警戒態勢に入る。


相手から自分に近づいてこないと分ったフォルスは自ら歩を進めて間合いへと入った。


「ギギャアアア!!!!」


自身の間合いへと入って来たフォルスに対してゴブリンは棍棒を握りしめる力を強め、右斜め上から思いっきり振り下ろす。


(・・・・・・遅いな)


ゴブリンと一対一で戦う状況であっても、レベル差の関係で以前のフォルスでも一人で倒す事は出来た。

しかしソウスケからのアドバイスと摸擬戦により今のフォルスには以前と比べてゴブリンの動きが明確に見えている。


「シッ!!!」


振り下ろされた棍棒をバックステップで躱し、タイミングを合わせてゴブリンの手の甲に蹴りを入れる。


完璧なタイミングで蹴りが入ったため、ゴブリンは小さな悲鳴を上げて棍棒を落としてしまう。

その隙をチャンスと捉えたフォルスはギアを上げて駆け出してすれ違いざまに腹を力一杯殴りつける。


フォルスのボディーブローを喰らったゴブリンは体をくの字より更に曲げ、三メートル程吹き飛ばされた。

その一撃で体の重要な器官が潰され、十秒程で完全に動かなくなった。



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