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二百五十二話剣であって剣でない

ランドリザードの解体を終えたソウスケ達は行きとは違って普段通りの速さで十階層へと降りて行く。


「・・・・・・そろそろ鍛冶をしてみるのもありかもしれないな」


「武器作りでも始めるのですか?」


「モンスターの素材や魔石は結構集まって来たからな。それに造ってみたい武器も一応ある」


刃の部分が針の様に細い剣、針剣。

レイピアやエスットクよりも突き刺す事に特化した細剣。


それにモンスターの素材を組み合わせる事でソウスケが思い描く武器が造れるかもしれない。


「スパイロードの様なあくまでサブで攻撃性能がある物でなく、実用性・・・・・・いや、俺が考えている武器は一般的な冒険者が使おうとも思わない武器か」


「そこまで癖のある武器を造るのですか?」


「癖があると言うか、剣の様で剣では無い。あまり大雑把に扱う事も出来ない。ただの剣より性能だけで言えば魔剣に近い。それに最終的な扱い方は剣のそれではない」


全ての性能を扱えるようになった時の戦い方は剣士、魔法剣士とも呼べるスタイルでは無いとソウスケは断言できる。


「それは斬ったり突いたりしないという事でしょうか」


「いいや、斬ったり突いたりもする。攻撃範囲は蛇腹剣と同様に近・中距離型になる予定だ。なにより最終的な戦い方のスタイルに関しては剣を扱う技能よりも魔力操作が重要になる筈だ」


「・・・・・・ソウスケさんの蛇腹剣と似ているという事は、並列思考のスキルが無ければ扱いが困難ということですね」


ミレアナも魔力操作には自身があるが、それでもソウスケの考える武器を直ぐに扱えるのかと聞かれれば無理だと判断する。


常に動き、考え続けなければならい戦いの場で思考を切り分けたような感覚でやりたい事を実行し手数を増やす。

ザハークもそれをなんとか習得しようと頑張っているが、スキルの獲得までには至っていない。


「そうだろうな、並列思考のスキル無いからといって扱いきれないとは限らない筈だ。ただ、有ると無いとじゃ自身にかかる負担が変わってくるだろうな」


「そうですか・・・・・・ところで、ランドリザードの素材や魔石はどのように使いますか? 肉は当然の様に使えますし、血や内臓に魔石等も錬金術の材料になります。牙や爪は武器の材料になるでしょう。鱗や皮もランドリザードの物なら防具として利用できるかと」


「防具か・・・・・・それはあまり考えていなかったな」


勿論ソウスケは鍛冶をするうえで防具も造ってみたいと思ってはいたが、具体的にどんな武具を使ってみたいとは考えていなかった。


(正直皮鎧とかを着用しようって気にはならないんだよな。でも、ザハークには部分鎧を着せた方が良いかもしれないな。俺にハイリアがあるから当分困らな・・・・・・くは無いかもしれないか)


エルフの高ランク冒険者であるゼアストが営む店で購入したローブはレア度が七と高くそこら辺の鎧などよりも防御性は優れているが、それでも突きに特化した攻撃などを喰らえば貫かれない保証はない。


「別に鎧とか重い物だけが防具じゃないしな・・・・・・そっちの方も色々と考えてみるか」


そして地上へ戻る為に十階層に存在する柱の前に到着したソウスケ達は地上へと帰還する。


地上へ戻ったソウスケ達は晩飯代わりにと、片手に飲み物を持ち夕飯の時間から一・二時間程経っているというのに未だに繁盛している出店で料理をつまんでいると三人の前にジーラスとバルスが現れた。


「おう、ソウスケとミレアナとザハークじゃねぇか。あれか、夕飯を食べ損ねたから出店の料理で腹を膨らませてるのか?」


「はい。ちょっと要件があってダンジョンに潜ってたら結構時間が経っていたんで」


要件というワードの内容にバルスは直ぐに理解し、バルスはニヤッと笑う。


「というかとは、ランドリザードを討伐したって事だな」


「そうですけど・・・・・・そんな直ぐに当てないでくださいよ。あっ」


「どうしたんだ?」


ソウスケは二人にランドリザードが上層から消えた事をギルドに伝えて貰おうと思ったが、それだとランドリザードの素材などをジーラス達に渡さなければいけないので却下した。


「・・・・・・・・・・・・なんでもないです。とりあえず、自分達がランドリザードを討伐した事は他の人に言わないでください」


「それは別に構わないが・・・・・・まぁ、基本的にダンジョンに潜るのは自己責任だから構わないか」

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