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二百四十九話歴史を見れば

ソウスケは最終的に三人を地上まで送り、残りの二人にフォルスだけにスキルの書を渡すは悪いかと思い、命中と盾術のスキルの書を渡した。


勿論二人は断ったのだが、ソウスケはフォルスも貰ったんだから君たちにも受け取る権利があるなど、少し無理やりな考えを言って二人に渡す。

二人もフォルスと同様に頭を深々と下げてソウスケに礼を言ってから別れた。


「それにしてもソウスケさんは子供に優しいですね」


「・・・・・・まぁそうかもしれない。甘いと思うか?」


「いいえ。ソウスケさんは子供達を甘えさせたのではなく、強くなるチャンスを与えただけです。それを私は甘いと思いません」


「自分もミレアナさんと同じく思います。そもそも世の中すべてが平等ではありませんからね」


世の中すべてが平等では無い。周りがどうだから、自分には才能が無いから等言い訳が出来ない重い言葉だとソウスケは感じた。


(人の歴史が始まって以来、終始人類が平等であったことは無い。的な言葉をラノベの中の天才・・・・・・いや、天災が言っていた気がするな)


ソウスケがこの世界に転移して得た特殊な武器に多くのスキルを得た。この世界では生まれた時の家庭環境によって大きな差がある。モンスターにとってもランクという大きな壁が存在する。


ただ一発逆転、又は転落する事も無くはない。


(一発逆転を狙うなら冒険者が一番適職だろうな。ダンジョンには危険な分、美味しい部分がある)


美味しい部分は多々あるものの、色々と対策を立てなければ寧ろ成果が得られず、最悪死が待っている場所でもあるのだが・・・・・・既に有能なスキルを多く持っているソウスケは対策などは殆ど考えていない。


「そういうことだ。それに、別に世辞じゃなく将来光るかなって思ったんだ。だからここで恩を売っておくのも悪くないだろ」


「ふふ、確かにそうですね。しかも相手が貴族の子供となればその親の爵位にもよりますが、いざという時に役立つかもしれませんね」


そういった自身の利益の為の考えも多少はソウスケの中にあったが、やはり大部分はここで死ぬのは惜しいと感じたものだった。


(それにしても、才能・・・・・・いや、違うな。才能の一部になる物がこうやって簡単って訳では無いが、手に入る環境は少し羨ましいと俺には感じるな)


スキルの書を手に入れる為に直接ダンジョンに潜り込み手に入れる、売られているスキルの書を買うにも職種によっては苦労が大きいかもしれないが、それでもソウスケは羨ましいと感じずにはいられない。


依頼の完了報告を終え、果物を渡したソウスケとミレアナは近くのテーブルに腰を下ろし、ほんの少しだけ休憩していた。

飲み物を注文して周囲の冒険者を観察しているとボロボロになった数人の冒険者が中に入って来た。

そのパーティーは宿屋でソウスケ達に一緒にダンジョンへ潜らないかと誘って来た一団だった。


全員が疲弊しきった状態だが、それでも早足で受付嬢の元に向かい、何故自分達がこうなったのかを説明する。


「・・・・・・なるほど、相手がそれならボロボロな状態になっているのも納得です」


「どういう状況であいつらはボロボロになったんだ?」


「八階層を探索していたところでランドリザードと遭遇したようです」


竜種においてワイバーンと同様にランクは高くないドラゴンであり、リザードは空を飛ぶ事が出来ない。

しかし竜種であることに変わりは無く力は強く、足もそこそこ速くランクはDの中でも上位に指定されている。


そして今回現れたランドリザードは土属性のリザードであり、ランクはC。


(一階層から十階層まで基本草原地帯だからそもそも竜種が現れる事自体がイレギュラーだよな)


そもそも一階層から十階層の間でランクがCのモンスターが現れる事自体がイレギュラーなのだが、今回の事例は本当に稀だが過去に数回ほど起こっている現象だった。


話を聞いていた周囲の冒険者達の中でランクがD以上の冒険者は良い稼ぎになるかもしれないと思い、仲間とどうするか相談している。


「素材や魔石に関してはそこそこ旨味のあるモンスターだとは思いますがどう致しますか?」


「俺は良い素材を手に入れる事が出来て、ルーキー達が安心してダンジョンに入れるって事を考えると一石二鳥? 後半は俺達関係ないけど誰かに取られる前に狩っておきたいな」


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