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二百四十四話やっぱりそこそこ・・・・・・

「さてと、早速造り始めるとするか」


ソウスケはアイテムボックスの中からトレントの木とハンタスパイダーの糸、フォレストゴーレムの破片にフォレストオーガの皮を取り出して作業を始めた。


「ソウスケさん、いったいどんなマジックアイテムを造るのですか?」


「それは出来てからのお楽しみだと言いたいところだが、そうだなぁ・・・・・・性能としては移動に役立つマジックアイテムかな」


「移動ですか。走る速度が上がるなどでは無く」


「ああ。別に靴や腕輪を造る訳じゃない。使える場所は森の中や街中・・・・・・は緊急時以外使っちゃ駄目だけど、あって損は無いマジックアイテムの筈だ」


確かにあって損は無いかもしれない。しかし、半分はソウスケの遊び心が詰まっているとも言える。


そしてトレントの木で小さな長方形の箱を作り、ハンタスパイダーの糸に粉々にしたフォレストゴーレムの木をまぶして刷り込む。

ソウスケの考え通りの糸が出来上がるとそれを木の箱の中へ入れていく。


最後に柔らかくしたフォレストオーガの皮で木の箱と腕に固定する部分を覆って完成となる。


「・・・・・・うん、良い感じに出来たな」


「あまり邪魔にならないマジックアイテムですね。ちなみにこのマジックアイテムの名前はなんと言うのですか?」


「名前かぁ・・・・・・糸を変えるにしても、蜘蛛系のモンスターの糸を使う事に変わりはないからな。そうだな・・・・・・スパイロードってところか」


スパイダーとロード、蜘蛛の道とソウスケは言いたかった。

主に使い道は移動手段でしかないので悪くは無い筈、だとソウスケは信じたかった。


「スパイロード、ですか・・・・・・実戦ではどうやって使うのですか?」


「どうやってか。この放射口からハントスパイダーの糸が飛び出る。勿論錬金術によって粘着性の機能は搭載している。だからある程度の物なら先がくっつく筈だ。そしてくっついたのを確認したら糸を収縮させる。糸がくっついた先に移動するようにな。そんでそれを繰り返して森の中を進む訳だ」


「・・・・・・・・・・・・なるほど。何となくイメージが湧いてきました」


「それは良かった。それと、スパイロードの外装はトレントの木の上にフォレストオーガの皮を使っている。だから咄嗟の時には小盾代わりにもなる」


自信満々に性能を説明するソウスケだが、それは元々考えていた性能には無い物であり、咄嗟に考えついた事だった。

しかしそんな事をミレアナが知る訳も無く、ソウスケの説明を聞いて目を輝かせている。


「あと、ハントスパイダーの糸にフォレストゴーレムの木を粉々にした奴を混ぜていたのを覚えているか」


「はい。何をしているのかとても不思議でした」


「フォレストゴーレムってザハークにボコボコにされても何度も再生していただろ。だからそのフォレストゴーレムの素材を混ぜればハントスパイダーの糸が切断されても再生するんじゃないかって考えたんだ」


ソウスケが実行した考えは予想通りに成功し、スパイロードの糸には再生機能が備わっている。

ただ、あまり高性能という訳でもない。


「でも再生するって言っても瞬時に再生する訳じゃないんだ。糸を出せる距離は移動以外にも使える場面はあると考えていたから少し長めに設定してる。それで仮に糸が全部切れてしまった場合、完全に元の長さまで再生するには二時間から三時間ぐらい必要かな?」


戦闘中に糸が全て無くなってしまったら、その最中には使えない事になる。

ただ、ソウスケからメインの性能はは移動だとミレアナは訊いているので、そこに不満は無かった。


「十分に高性能なマジックアイテムだと思います。物体にくっつくという事は急な斜面もこのマジックアイテムが楽々登れるという事ですよね」


「・・・・・・それは考えていなかったな。確かに登るって性能面だけで言えば役に立つか」


そこからソウスケは他にもスパイロードが使える場面は無いかと考える。


「よくよく考えれば戦闘面で攻撃って意味で使えるかは分からないけど、嫌がらせの意味でなら結構使えるかもしれないな」


フォレストゴーレムの素材が練り込まれたハントスパイダーの糸はそこそこの強度があり、その糸に捕まれば使用者の腕力にもよるが、相手の手や足の動きを止める事も出来る。


「とりあえず試作品一号は完成したんだ。少し時間は掛かるけどミレアナとザハークの分も造ろう」


良い作品を造ろうとした結果、少々神経をすり減らしたソウスケだったが、そのまま勢いに乗って二人のスパイロードを造る事にした。


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