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二百三十六話報酬は目の前にある

「・・・・・・はぁあ!!??」


「えっと・・・・・・フォレストオーガが横から蹴り飛ばされた? って事で良いんだよな」


「そうみたいね。種族は・・・・・・エルフみたいね。にしてもフォレストオーガを蹴り飛ばすエルフなんて、かなりの武闘派みたいね」


「武闘派なのは分かる。でもフォレストオーガを不意打ちとはいえ蹴り飛ばせる冒険者なら少しぐらい顔が知られていてもいい気がするんだけど」


四人が横からいきなり自分達が戦っていたフォレストオーガを蹴り飛ばしたエルフに戸惑いを隠せず、どうしたら良いのか解らずにいた。

すると前からエルフの仲間と思われる少年が自分達の元までやって来た。


「先輩の冒険者さん達、良ければこれを使ってください」


「こ、これは傷を回復させる方のポーションか貰えるなら貰いたいが少年、俺達は今渡せるものが無いぞ」


勿論今まで倒してきたモンスターの素材や魔石等は少なからずあるが、それらを渡してしまったら赤字となってしまう。

だが少年は自分達に金やモンスターの素材を求めなかった。


「料金なら、あのフォレストオーガを貰うので大丈夫です。だからこれは只で上げます」


「えっと・・・・・・いやいやいや、流石にこのポーションを只で貰う訳にはいかないよ!!」


女の冒険者は少年から受け取ったポーションを見つめ、それがランクの低いポーションでは無いと分かり、只では貰えないと言い出す。

しかし少年は女の冒険者の言葉に対して首を横に振る。


「大丈夫ですよ。それは別に買った訳では無いので。それにそれを売った時の料金はあのフォレストオーガで十分に賄えます。だから気にしないでください」


「けど坊主、いくら俺達がフォレストオーガの魔力を削ったとはいえ、坊主とエルフの姉ちゃんと・・・・・・あのフードの奴だけだと流石に厳しいんじゃねぇか」


男の冒険者としては、只でポーションを貰えるという待遇にこのままエルフの女性とフードを被った冒険者に、目の前の少年だけにフォレストオーガを任せるのは良くないと先輩として感じた。

勿論男としてはフォレストオーガの素材や魔石は貰わず、戦いにもう一度参戦するつもりであった。


「大丈夫ですよ。彼女は超強いですから。それじゃ、俺は彼女のサポートに入るので気を付けて帰ってください」


問題ないと四人に伝えると少年はフォレストオーガとの戦いに加わわって攻撃を開始する。


「・・・・・・どうするよ」


「私達の傷が治ったとしても、魔力は少ないから危ない事に変わりはないわ。今は少年のお言葉に甘えて絶対に上で見つけて礼をする。これで良いんじゃない」


「それがベストだろうな。ならとっとと地上に戻って美味い飯屋を探そう」


四人はフォレストオーガを蹴り飛ばしたエルフの女性と、自分達にポーションをくれた少年が勝つ事を信じて地上へと向かった。



「人払いは終わったぞ」


「かしこまりました。それではザハーク、隙が出来たと思ったら遠慮なく攻撃をぶち込んでください。フォローはこちらでします」


「ワカリマシタ。オソレズコウゲキヲシカケマス」


自分がいない間に色々と話がまとまった様子を察し、ソウスケはフォレストオーガの魔力を削る事に専念する。


「っし、ウォーターカッター・・・・・・だったら加減を間違えてうっかり切り落としそうだから、威力を落としたウィンドカッターで切り刻むか」


今までで一番使用頻度が高い風魔法を使い、ソウスケは周囲に多数の風の刃を出現させる。


「なら私も風魔法を使って相手をしましょう」


ミレアナもソウスケと同じように風魔法を使い、周囲に多数の風の矢を作りだす。


「さて、ザハーク。援護は俺達に任せて臆する事無くフォレストオーガを打ち倒せ」


「ハイ!!!!!」


過剰と思われる援護かもしれないが、それは二人の心配性から現れる行動。

ただ二人の少し過保護の援護によってザハークは迷うことなくフォレストオーガに向かって走り出す事が出来た。

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