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二百三十二話意外や意外

「ジーラスさん達は何階層辺りを探索しているんですか?」


「俺達は基本的に三十階層の後半辺りを探索する事が多いな。その辺りが一番旨味が多いモンスターがいるしな」


「確かにジーラスの言う通り旨味の多いモンスター三十階層以降は多い。でも、モンスターがそれまでの階層と比べて、状態異常を含んだ攻撃をしてくる事が多くなる」


毒や麻痺などが状態異常では定番だが、ソウスケ達が探索しているダンジョンでは、下層に突入すると稀に石化の攻撃を使うモンスターが現れる。


「だからもし下層を探索するなら、状態異常を治すポーションは多めに持っておいた方が良い」


「そうなんですか、有難うございます」


ミナに言われる前からソウスケはギルドで買い取ったダンジョンの情報から知っていたが、ここでは初めて知ったかの様な対応がベストだと判断した。


「でもエルフであるミレアナさんがいればその辺りは何とかなるんじゃないかしら。私達の方ではミナとバルスが回復系統の魔法を使えるからそのこらへんの出費は抑えられているけど」


「えっ!?」


ミナは魔法使いという見た目から回復魔法が使えても可笑しくは無いと思える。

ただ、バルスの見た目から魔法を使う事は出来ても、回復魔法を使えるとソウスケは思えなかった。


「はっはっは。まっ、そういう反応になるよな」


「す、すみません。全く予想していなかったんで」


「気にするな。もうそういう反応には慣れたからな」


「まだ冒険者になって数年ぐらいの時は結構落ち込んでたけどな。まぁそれでも俺達みたいな見た目の奴らが回復魔法を使えるって分れば、驚くなって方が無理な話だ」


事実、初対面の人間がバルスが実は回復魔法が使えると分かった瞬間、今まで驚かなかった者はいなかった。

ソウスケ程表情には出していなくとも、ミレアナも驚いた表情を隠せていない。


「それで、二人・・・・・・いや、三人て言った方が良いのか? 最下層のボスまで挑むのか?」


「そうですね、十五階層より下には潜るつもりです。ただ一応目的の素材は手に入ったので、ザハークの事も考えて無理に探索を進めようとは思いません」


「そうねぇ・・・・・・それはそれで賢明な判断ね。無理して怪我を負う、もしくは冒険者を辞める人なんてざらだからね」


リフィラは言葉に出さなかったが、ソウスケはその中に死人もいる事を感じ取った。


「確かに二人が強くて、ザハークがこれから強くなるとしても、人数は三だ。無理しての探索を薦められる人数じゃない。まぁ、だからと言って、二人の実力に合う新人なんてまずいないだろうけどな」


「ソウスケとミレアナ程の実力の新人がたくさんいれば、私達の立つ瀬がない。王都やこの街と同じようなダンジョン都市に行けばルーキーの平均的なレベルも上がる。でも二人ほどの強さを持つ新人は滅多にいない。というか、いないと信じたい」


経験を帳消しにするような才能を持つ原石がいれば、モンスターの素材や魔石を買い取る冒険者ギルドとしては嬉しいだろうが何年十何年と冒険者生活を送っているベテランからすれば今までの自身の努力や経験が無駄だと言われているように感じる者もいる。


「ミナの言う通りだな。まぁ、お前達の冒険はお前達の物だからとやかく言わない。ただ、最下層のボスに挑むときは十分に注意しろよ。通常の奴でさえ厄介な事には変わりないのに、上位種の奴はもっと面倒だからな」


「ジーラスさん達がそう思ってしまう程最下層のボスは強いんですか?」


「ああ。強さは勿論だが、厄介だと俺は感じている。通常のボス相手なら万全に準備した状態で挑めば俺達だけでも十分に勝てる可能性はある。ただ上位種を相手にするって考えると、俺達のパーティーだけでは駄目だ」


ジーラスは過去を思い出すようにコップの水を見つめ、一気に飲み干す。


「私達も本格的に最下層のボスに挑む時は他のパーティーと組んで挑んでいるのよ。報酬は減ってしまうけど、生存率は一気に上がるからね」


「偶に調子に乗ったパーティーが挑んで外れを引いて全滅する事がある・・・・・・おっ、料理がやって来た」


「みたいだな。取りあえず話は一旦終了で、冷めないうちに食っちまおう」


ジーラス達の雰囲気にさほど変化はないが、ギルドから貰った情報には無かった内容を聞けてソウスケは既に満足気分だった。

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