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二百三十話隠れ家的店で

十五階層まで探索を終えたソウスケ達はそこで一晩休息を取り、疲れを取ってからダッシュで十階層へと向かった。

ソウスケとミレアナだけであれば、モンスターを無視する事で一日で突破できる。

しかし今回は従魔のザハークがいる為、走る速度が必然的に下がってしまう。


ただミレアナが速度強化魔法等を使う事で、想定外なほど遅くなってしまう事は無かった。

二日後には十階層に辿り着き、上層から下層へ、下層から上層へ転移出来る石柱に触れて一階層へと戻る。


「時間は昼過ぎってところか・・・・・・屋台で何かつまむか」


「そうですね。少し小腹がすいていますし丁度良いかと」


「ジブンモスコシオナカガスキマシタ」


全員が賛同という事でソウスケ達は三件ほど屋台で買い食いをして腹を膨らませる。

その後、特に予定も無いので従魔が泊まれる宿へ向かおうとしていると後ろから声を掛けられる。


「よう、エルフの姉ちゃんと坊主。ダンジョン探索は進んでるか?」


「えっと・・・・・・ジーラスさんでしたっけ?」


「おう、名前は憶えていてくれたみたいだな。てかちゃんと自己紹介はしていなかったな。う~~~ん・・・・・・あまり人が来ない隠れ家的な店で一緒に食べないか?」


突然の誘いにソウスケはどう返していいのか迷い、返答に詰まる。


(人があまり来ない隠れ家的な店って事は、俺らに気を使ってくれてる・・・・・・って事で良いんだよな。下手な勘繰りはしないでいいか)


ジーラス達が紹介する店には行っても良いと思ったが、ソウスケは重要な事を確認する。


「こいつは俺の従魔なんですけど店に入れますか?」


「・・・・・・見た感じだと人型のモンスターか。坊主の言う事はちゃんと聞くのか」


「大丈夫ですよ。ザハーク、ジャンプ、ジャブ、ストレート、回し蹴り」


ソウスケが一連の動きを伝えるとザハークは指示通りにその場で動いた。

それを見たジーラス達は驚きの表情を見せるも、直ぐに元の表情へと戻った。


「はっはっは、なるほど。ちゃんと坊主の指示通りに動くみたいだな。それなら大丈夫だぜ。そんじゃあ付いて来てくれ」


ジーラスが目的の店へ歩き出すとパーティーメンバーの男がソウスケに苦笑いになりながら声を掛けて来た。


「悪いな坊主、あいつの考えに突き合わせてしまって。金は俺達が出すからそれで手をうってくれ」


「分かりました。ご馳走になります」


「へぇ~~~~、ルーキーにしちゃ言葉遣いが丁寧ね。私はそこまで気にしないタイプだけど、中には育ちの影響かもしれないけど中々直らない子も多いのよ。後、この前君たちを勧誘した実力差がハッキリと解らない子とかね」


外見からシーフを担当しているのだろうと分る女性から掛けられた言葉に、ソウスケはダンジョンに潜る前に宿で他のパーティーから一緒にダンジョンに潜らないかと声を掛けられた事を思い出す。


「言葉遣いは丁寧でしたけど、少し自身の力を過信している様な気がしましたね」


「君の言う通り。私と同じ魔法使いもいてパーティーのバランスは良かったかもしれない。でも、君たちと比べて実力が低い。君の実力はあまり読めないけど、そっちのエルフ・・・・・・ハイ・エルフで合ってる?」


「・・・・・・ええ、私はエルフでは無くハイ・エルフです。ただそれをあまり他の同業者へ伝えないで貰ってもよろしいでしょうか」


この場で嘘をついても無駄だと判断するミレアナだが、無暗に言いふらさないでくれとも伝える。


「分かった。確かに秘密にしたい情報。それであなたの実力は本物、声を掛けて来たパーティーと組めば足を引っ張られるのは必然。だから組まなくて大正解」


自分達の実力をしっかりと評価してくれているおそらく高ランクであろう先輩たちに驚きながらも、悪い気はしないとソウスケは感じていた。

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