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二百十九話無理無理

「店の人があんまりザハークに対してビビんなくて良かったな」


「従魔が泊まれる宿ですからね。ザハークより高ランクのモンスターを今まで見て来たので、ホブ・ゴブリンぐらいではあまりビビる事はないんじゃないでしょうか。それにザハークが言葉を喋るところをみれば他の客に迷惑は掛けないという信用が少しは買えたと思いますよ」


「そうだな人の言葉を喋るモンスターなんてそういないだろうからな。ところでさ、ザハークって最終的にはどんなモンスターに進化すると思う」


ゴブリンからホブ・ゴブリンに進化したザハーク。順当に進化していけば最終的にたどり着くのは全てのゴブリンを統べる、ゴブリンロード。

しかしソウスケはそのまま進化していくとは思えなかった。


(やっぱゴブリンにしては体ががっしりしてるしなぁ。まっ、それは俺が毎日三食飯を与えてるからかもしれないけど。それに普通のホブ・ゴブリンじゃなくて希少種だ。一般的な進化のルートを辿るとも限らない)


ただしソウスケにはゴブリン以外の進化ルートが思い付かない。


「もしかするとオーガに進化するかもしれませんね」


「オーガ? なんでだ? そっち方面に進化したら確かに色々と嬉しいけど、その可能性はあるのか?」


「ゴブリンは別名小鬼と呼ばれています。そしてオーガの別名は大鬼。鬼という種類は一緒です。なのでもしかすれば途中でオーガに進化するという分岐点があるかもしれません」


「小鬼と大鬼か・・・・・・言われてみれば納得できなくはないな」


ザハークがこれからゴブリンとして進化し続けてもソウスケは捨てる気は一切ないが、それでも色々と面倒事は避けられないと直感的に感じている。

なのでオーガに進化すればその面倒事が多少は減るかもしれないと思わなくも無かった。


「ただ・・・・・・そうなると色々と装備とかを新調した方が良さそうだな」


「そうですね。今はまだ体格が小さいので今ある物で代用できていますが、体格がオーガ並みになれば基本的に人が扱う服や武器は小さいですからね」


「せっかく知能向上ってスキルが有るんだから、攻撃パターンを肉弾戦だけにするには勿体無いからな」


上手くいけば自分と同じオールラウンダーになるだろうと思ったソウスケは思わずニヤケてしまう。


(ザハークがそこまで強くなれば俺達二人と一体で大抵の敵は倒せそうだな。けどそこまで強くなればそれはそれでザハークを狙う阿保が現れても可笑しくないな)


未だ横暴で自分勝手な権力者に合った事が無いソウスケは、無理やり強引な手段でミレアナやザハークを奪いに来るのではという不安があった。


(俺の力があればそうそう負ける事は無い筈だ。ただ権力者相手に無理やり潰したら・・・・・・張本人を殺せば結果オーライなのか? ただそういった件でギルドに迷惑を掛けるのはちょっとな・・・・・・)


「難しそうな顔をしていますが、何を悩んでいるのですか?」


「あぁ・・・・・・あれだ、大きな力をもった権力者にミレアナやザハークを狙われたどう対処しようかと思ってな」


「? 私達の実力があれば力尽くで返り討ちにできると思いますが」


ミレアナの考えている対処はソウスケにとって思いの外脳筋的な方法だった。


「いや、確かにそれが一番無駄な考えが要らなくて手っ取り早い方法なんだが、運が悪ければ俺達がお尋ね者になるかもしれないだろ。流石に国と対峙して勝てるとは俺も思っていないし」


「そう考えると力尽くで解決するのはあまりよろしくない様ですね。・・・・・・それなら、暗殺が一番効果的なのではないでしょうか」


暗殺、その言葉を聞いてソウスケは名案だとは思ったが、自身がそれを出来ると思えなかった。


(最初の頃は気配を消して一撃でって感じで倒してたけど、別に厳重な警備を掻い潜ったりはしてないからな)


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