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二百話脳が焼ける・・・・・・

自分の思惑通りに事が進んでいる現状に、ソウスケは思わず笑みをこぼしてしまう。


「ふっふっふ。ここまで事が上手く進むと気分が良いもんだ」


ソードラビットの刃によって斬り裂かれた風の球体は確かに真っ二つになった。

だがそのまま消滅はせず、再び一つの球体となってソードラビットの後頭部目掛けて動き始める。


「お疲れさん。良い実験をさせて貰ったよ」


完全に目の前にある隙に意識が集中していたソードラビットに後方を気にする余裕は無く、為す術も無く後頭部を貫かれてしまう。


「お見事ですソウスケさん。まさか斬り裂いた攻撃が復元して後方から襲い掛かってくるなんてまず考えないでしょう」


「だろうな。よっぽど魔力感知のスキルが高い奴なら別かもしれないけど。ただ、斬り裂かれた属性魔力の球体を復元する技術は少し隙というか・・・・・・相手に違和感を与えてしまう技術ではあるな。単に俺の錬度不足ってのもあるだろうけど」


「そうですね・・・・・・戦闘に関して素人、駆け出しの冒険者。低ランクのモンスターなら気づかないかもしれません。ですがベテラン、中堅の冒険者やCランク以上の冒険者ならばその弱点に気が付くかもしれません」


ミレアナの言葉にソウスケは何故技術の対象に人が含まれているんだとツッコミたかった。


(いや、確かにそういった場面に遭遇するかもしれないけど真っ先にモンスターでなく人がでてくるって・・・・・・やっぱりミレアナの思考が過激になった気がするな)


自分達に敵対する人物に対して躊躇が無くなって来た様に感じるミレアナが少し心配に思うが、自身がぶっつけ本番で試した技術の弱点に頭を切り替える。


ソウスケが二つに裂かれた風の半球を一つに戻す時、実は他の風の球体の動きが遅く、単純になっていた。

勿論ソウスケがそうしようと思ってしたのではなく、二つに分かれた風の球体を一つに戻すと同時に他の風の球体を不規則に動かそうとすれば、自身の頭に激しく頭痛が起きてしまう。


無理をすればソウスケのキャパシティーを完全にオーバーして脳がオーバーヒートしてしまい、最悪気絶してしまう可能性もある。

戦闘中に頭痛に襲われると低ランクのモンスターとはいえ万が一があると考えたソウスケは無理に複数の球体を動かそうとしなかった。


「俺の錬度不足・・・・・・簡単に言えば魔力操作のスキルが足りない。後は並列思考と演算のスキルを上げれば頭痛に襲われる事無く扱えるかもしれないな」


「魔力操作と並列思考のスキルを鍛えるのは分かりますけど、演算のスキルは上げる必要はあるのですか?」


「えっと・・・・・・複数の球体を動かす時にどれをどうやって動かせばぶつからないか、脳がそれを計算しているんだよ。だから演算のスキルを上げればその計算速度も上がって脳の負担も軽くなるんじゃないかと思って・・・・・・といっても何言ってるのか理解出来ないよな」


「申し訳ありません。おそらくソウスケさんの考えは合っていると思うのですけど、私には理解出来ませんでした」


ミレアナは自分の理解不足を嘆きソウスケに頭を下げるが、ソウスケ自身もそこまで人体について詳しくは無いので、確かな確証は無かった。


「頭を上げろ。というか俺も演算のスキルレベルを上げて本当に頭痛が起こらなくなるのかは分からん。そうかもしれないっていう可能性の話しだ。取りあえずまだ五階層を探索し終えていないんだ。だから探索を終えてからゆっくりと考えよう」


アイテムボックスにソードラビットの死体を入れたソウスケは小石やホーンラビットの角が入ったツボを持ち、五階層の探索を再開する。



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