十八話女将の記憶力
晩飯を食べ終えた後、結局ケイと意外にもアガレスが酔いつぶれたので、エルミがケイを、スラルがアガレスを背負って部屋へと戻っていった。
ソウスケは店員に言われた番号の部屋に向かい、中へと入った。
「これは・・・・・・なんかいい感じの部屋だな。うん、悪くないな」
部屋の中はベットとテーブル、いすが置いてあるだけ、といった感じだが、不思議と嫌いではなかった。
ソウスケはベットにドカッと腰を下ろし、ゴロンと横になりながら明日の事について考えた。
「とりあえずは、ダンジョンで倒したモンスターをギルドに頼んで解体してもらわないとな。多分、百体まではいかなくてもそれくらいはありそうだよな」
ダンジョンで倒したモンスターは、ほとんどそのまま収納に入れている。例外はゴブリンの上位種などの魔石以外は使い物にならない為、上位種以外は魔石だけ取り除いて放置した。
「まぁ、とりあえず明日はこの街をゆっくりと観光するか。・・・・・・ふふ、本当に俺は異世界に来たんだな」
ソウスケは部屋の様子、窓から見える街の景色、そして自分の相棒、蛇腹剣を見ながら自分がいた元の世界とは本当に違う世界、異世界に来たんだと実感した。
「おし、とりあえずもう夜なんだしとっとと寝よう」
ソウスケは勢いよく布団をかぶり直ぐに眠りについた。
「んん・・・・・・そうか、俺は確か昨日、宿屋のベットで寝たのか」
眼をこすりながらゆっくりと上がり窓を開け、日光を浴びて目を覚ました。
「ふぁ~~~~。ふぅ・・・・・・とりあえず顔を洗ってから朝飯を食べるか」
ソウスケは魔法で水を宙に浮かして顔を洗い、寝癖を直してから下の食堂に向かった。
食堂に降りると、女将さんがソウスケにアガレス達はもう宿から出たことを伝えてきた。
それを聞いたソウスケは伝えてくれてた事に対して感謝の気持ちを持った。また、自分がまだ一泊しかしてないのに、よくアガレス達の知人だと覚えていたなとその記憶力に感心した。
(これくらいの規模の宿だと、泊まっている人の関係者まで覚えられるのか? いや、普通そんなことはないと思うけど、俺に関しては昨日初めて泊まったんだけどな・・・・・・まぁ、その辺は気にしても仕方がないか)
ソウスケは考えるのを止めて、出された朝食のパンとシチューを食べた。
(なんかな・・・・・・とりあえずパンはあんまり美味しくないな。シチューは旨いんだけどな~~~~。菓子パンが恋しいな~~~~)
ソウスケは料理に関しては一通り出来るので、今度材料探しにでも行こうかと思った。
ただ、そのためにも調理器具とかを作らなければならないので、今は後回しでいいやという結果になった。
食べ始めて五分で朝食を完食し、元の世界でいつも言っていた言葉を言った。
「ごちそうさまでした」
ソウスケの言葉に近くを通ったおじさんが、不思議に思い、ソウスケに質問した。
「兄ちゃん、そのごちそうさまでしたってのは何なんだい? 兄ちゃんの故郷での習慣か?」
ソウスケはいきなりしらないおっさんに声をかけられ、びっくりしてしまったが、この世界ではこれが当たり前かと思い、おっさんに説明をした。
「俺がいた国での自分が食べた食材に対する、感謝の言葉みたいなものですよ。自分が食べて来たものがあるからこそ、今自分がこうして生きていられるんですからね。あ、食べ始める前にいただきます、とも言いますよ」
ソウスケの言葉に声をかけて来たおじさんは、ほ~~~~~っと、俺の説明に感心していた。
「なるほど、それは良い習慣だな。おし、俺もそれを真似してみるかね。急に声かけて悪かったな兄ちゃん」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
そしておっさんとの会話が終わってから少しゆったりとした後、ソウスケは宿を出て、ギルドに向かった。
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