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百六十七話予定、作戦の崩し合い

群れの長として、民を束ねる王として一番大事な物は何か。


力や頭脳は勿論の事、跳び抜けた才能やカリスマ等も必要だろう。ただ、中でも一番必要なのは危険を察知する能力にどの種族の長や王も長けている。


今まで野生の中で生き抜いてきた経験と勘からそれは自然と身に着く。

危険を察知してからどう行動するかはバラけるが、そこだけは皆一様に長けている。例外に当たる愚王を除いて。


コボルトキングも危機を察知する事には長けており、ソウスケとミレアナの戦いのパターンを見極めようとはするものの、隙あらばどうにかして逃げようと考えていた。


そんな強いが臆病なコボルトキングもどう足掻いたって逃げられないと悟り、一瞬で思考を切り替えて構える。

そして全身に炎を纏わせる。ソウスケを相手に手を抜くつもりは一ミリもなく、最初から全力で決めに行く。

身体強化や魔力で爪や足を強化する。


コボルトキングが観戦状態から完全に戦闘状態に切り替わったのを確認したソウスケも身体強化を使い、蛇腹剣を変形させる。


刃が骨の様な外見だった蛇腹剣は姿を変えていき、リザードマンを思い出させる様な外見に変化した。


「・・・・・・この形状で戦うのは初めてだな」


余波でミレアナを傷つけてしまわないかという心配はあった。それでも目の前の相手にこの状態の蛇腹剣を使わなければ勝てない気がしたソウスケは更にスキルを発動させた。


竜鱗・・・・・・ドラゴン系のモンスターが持つスキルであり、系列的にリザードマンはドラゴンの端くれに分類されるため、能力は低いが全身の防御力を上げる事が出来る。


発動させたソウスケの腕や足、見えないが腹には竜の鱗が現れ始めた。


見覚えのある鱗が目の前の種族的に全く関係が無い人間から現れた事で、コボルトキングは更に警戒心を強める。

そしてお互いが完全に戦闘態勢に入るが直ぐには動かない。


十秒程どちらも動かずに相手の出方を窺おうとしていたが、先に動き出したのはソウスケだった。


フェイントもクソもなく、コボルトキングの真正面に向かって走り出す。

一切蛇行せずに自分の所に駆けて来たソウスケに対してコボルトキングは右腕を頭上から振り下ろそうとする。


しかし避ける事はせずにカウンターで対処してくるであろうと予測していたソウスケは前に跳ぶと両足で空中を跳ねて、地面に亀裂を入れるコボルトキングの拳を回避する。


攻撃を空振りさせた瞬間を狙って斬撃を三度放つが、コボルトキングもソウスケの跳躍は先程の戦いで見ていたので、自身のカウンターに対してどう対応するかも予測出来ていた。

予備動作なしでソウスケが放つ斬撃を空中に跳んで回避し、爪を下から振り上げて三体の炎狼を繰り出す。


「そ、れは予想してない!!!」


向かって来る三体の炎狼にソウスケは変形させた蛇腹剣を伸ばして自身に近づく前に消し飛ばす。


「でも、そうはさせない」


そして左手の人差し指から連続で五発の雷球をコボルトキングに向かって・・・・・・ではなく、着地する足元に向けて発射する。


ソウスケの二手目に自身の考えが崩されたコボルトは顔に苛立ちの表情を浮かべながらも、作戦を変更させて足に纏う炎を大きくして熱量を上げる。


(? 何をするのかは分からないけど、一瞬は動きが止まるだろう)


雷球を打ち終わった後、ソウスケは即座に蛇腹剣が元の長さに戻る前に雷の槍を形成する。そして回転を加えてコボルトキングが着地する一歩後を狙って投擲する。


コボルトキングの足裏と雷球が接触する瞬間、雷球はコボルトキングを一瞬だけ痺れさせるという役目を終える前に掻き消されてしまう。


「!? 待て、どんな原理だよ!!??」


コボルトキングの咄嗟の行動により、今度はソウスケの予定が崩される。

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