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百六十四話残る攻撃

自分の顔面目掛けて放たれるドロップキックに対し、ミレアナは掌に集めた風の魔力を向かって来る足に合わせて放ち少しだけ後ろに跳ぶ。

そして左足に集めた風の魔力も放って更に距離を取る。


ミレアナは向かって来る両足から目を逸らさずに伸びきる瞬間を待つ。


ドロップキックを紙一重で躱したミレアナは右手でコボルトウォーリアーの足を掴み、右足裏に集めた風の魔力を放つ。

上手くコボルトウォーリアーの攻撃を躱し、作戦通りに事が進める事が出来たミレアナはそのまま攻撃に転じる。


ドロップキックを躱されたコボルトウォーリアーは次にミレアナがどの様な攻撃を放ってくるかが、ある程度予測出来た。

クレバーな状態が続いているコボルトウォーリアーは即座に大剣の腹を使ってミレアナの攻撃を防御しようとする。


その判断は間違っておらず、カウンター狙いで斬り込むより適切な選択肢。

ただ、その動作をミレアナの攻撃が自身に当たるまでに実行出来るかとどうかで言えば、不可能に近かった。


ミレアナが攻撃を躱すついでに放った掌底は大剣を通してコボルトウォーリアーの両腕を痺れさせていた。

それが原因で頭は状況を把握しており、次にどの様な行動を取れば良いかが分かっていても体が動かない。


「ハァ!!!」


凛とした力強い声と共にミレアナの足がコボルトウォーリアーの脳天に振り下ろされる。

一回転している事でミレアナの視界は良くなく、コボルトウォーリアーの上半身がどう動いているかは見えていない。

それでもミレアナは迷い無く足を振り下ろす。先程の掌底でコボルトウォーリアーは大剣を手放しはしなかったものの、反動により直ぐに態勢を立て直す事は出来ていなかった。


それを確認していたミレアナに躊躇いは無い。

その証拠にコボルトウォーリアーは自身の脳天目掛けて振り下ろされる足・・・・・・死神の鎌に対してどう動けば良いかが分かっていても反応出来ないでいた。


ミレアナの踵落としがコボルトウォーリアーの脳天に直撃する。


攻撃を喰らったコボルトウォーリアーの頭蓋骨は完全に砕かれ、脳はぐちゃぐちゃに潰された。

体を動かすのに絶対に必要不可欠な部分が潰された事でコボルトウォーリアーは両手に持っていた大剣を手放してしまい、地面に崩れ落ちた。


「随分と頭が良い・・・・・・状況判断が速いコボルトウォーリアーでしたね。さて、最後はあなただけですね」


ミレアナは見据える視線の先には歯ぎしりをするコボルトジェネラルの姿があった。


コボルトジェネラルはコボルトウォーリアーがミレアナの踵落としに対してどの様に対処しようと考えていたのかを予測出来ており、防御が成功した瞬間に死角から雷を纏った抜き手でミレアナの体を貫こうとしていた。


しかしミレアナが少し前に放った掌底のお陰で全てが狂った。


確かにミレアナが踵落としを放つ間に攻撃を仕掛ける事も出来たかもしれない。

ただ、ほんの少しの間しか戦っていないがコボルトジェネラルは完全に攻撃のリズムを途切れさせなければ、ミレアナに決定打を入れられないと分かった。


そのためリスクを背負って飛び込む事は出来きず、同族が殺されるのを見ている事だけしかできなかった。


「・・・・・・ソウスケさんの方も終盤戦みたいですね。コボルトキングを目前にして笑っているなんて、本当に戦いを知らなかった人とは思えませんね。ただ・・・・・・私はそんな人の奴隷なのであなた如きに躓いてはいられないんですよ」


言葉は理解出来ない、理解出来ないが自分に向けられた目が自身を倒すのでは無く、狩る事が目的の目だとコボルトジェネラルは本能的に理解した。

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