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百五十九話幻影か・・・・それともリアルなのか

気配を殺す意味がない位置まで来た二人はおそらくコボルトの巣がある場所まで駆け出した。


そして大きなホールに出ると、そこには数十ものコボルトやその上位種が各自自由に行動している。


中には自分達の仲間ではない匂いを感じ取り二人に気付いた存在もいたが、大半は二人にまだ気づいてはいなかった。

好都合だと思ったソウスケは視線を自分に集中させるために右足で地面を思いっきり叩き付けたる。


同族達の声が飛び交う中でいきなりの強烈な打音。


二人の存在に気が付いていなかったコボルト達は体をビクッとさせながら打音がした方向へ顔を向ける。


そこにはエルフの女と人族の少年が一人ずつ。その二人に対して一部の上位種を除いて大半のコボルトは二人の強さを見抜く事が出来ていなかった。


だが・・・・・・人族の少年の持つ蒼色の剣のがどれ程凶悪な物なのか脳が、野生の・・・・・・魔物としての本能が瞬時に理解した。


そう、理解する事は出来た。しかし時既に遅し・・・・・・少年、ソウスケは水龍の貫禄を発動させた。


コボルトとその上位種達は水龍の貫禄を発動したソウスケの背後に巨大な龍の幻影を見た。


確かにその龍・・・・・・正確には水龍の姿は幻影。それは間違いない。

けれどそう思わせない程の迫力、威圧感がコボルト達を襲う。


脳や心臓に鋭い爪を、防御を無視する程の龍尾を、あらゆるものを粉砕する牙を突きつけられたと錯覚する・・・・・・それほどまでに少年の後ろに見える水龍はリアル。


水龍の幻影を見て逃げ出すコボルトと上位種はいなかった。


あまりのリアルさと威圧感に恐怖を与えられた事で失禁して気絶したコボルト。


見える水龍が幻影だと分かっても心に震えをもたらす恐怖を押し殺して戦闘態勢を取る十にも満たない上位種とコボルトキング。


コボルトキングは自分の中に鼓舞する為と、龍種とはいえ幻影に恐怖した自分に苛立ちを感じて最大の声量で咆哮を放つ。


「グルウウウゥゥアアアアアァァァアアアアアアアアア!!!!!!!!!」


鉱山を揺るがさんとするばかりの咆哮・・・・・・いや、怒号に近い。


人狼の王が放った怒号にソウスケは直ぐに水龍の蒼剣をしまい、指輪状にしている蛇腹剣を剣状に戻した。


「ミレアナ、先ずは気絶させたコボルトと上位種の命を完全に絶ってくれ」


「任せてください。すべて始末しておきます」


「よし・・・・・・それじゃぁ、行くぞ!!!」


気合いを入れて駆け出すソウスケとミレアナ。

コボルト達も負けじと声を荒げながら二人に襲い掛かる。


ミレアナは先手必勝と魔力の矢を形成して気絶しているコボルトを仕留めに掛かる。


ミレアナの矢を打ち出す動作を見た上位種達は自分達に飛んでくるのかと思い、防御や回避の準備をするが放たれた矢は全て自分達を逸れて行き、同族達の急所に突き刺さる。


してやられたとコボルト達は思い苦い表情をするが、仲間が殺られた事に上位種達は心を痛める暇は無い。


「モンスターにも仲間意識があるんですね。でも・・・・よそ見していて良いんですか?」


冷静に、淡々とした声でミレアナは矢を・・・・風の刃を足で放つ。


急所を貫く矢が、体を切断しようとする風の刃がコボルト達を容赦なく襲う。


回避する上位種もいれば腕を足を切断され、腹や脛に目を貫かれる上位種もいた。


しかし足や胴体を切断、脳や心臓を貫かれた上位種以外は止まる事無くミレアナに突っ込む。


「・・・・・・あのコボルトキングの咆哮、ただの咆哮ではない様ですね」


ミレアナはアドレナリンがどばどばと出ているか・・・・ではなく、コボルトキングが放った咆哮の影響であまり痛みを感じさせるような表情をしていない上位種を見て、溜息を吐きながらも攻撃の手は緩めない。


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