十三話判定玉?
ソウスケは焦りに焦っていたが、そんな様子をスラルが察して、助け舟を出してくれた。
「もしそういった物がない場合、判定玉に触って、異常がないなら街に入ることが出来るぞ」
スラルの提案はソウスケにとってとてもありがたい提案だったが、ソウスケには判定玉というのがいまいちどういう物か分からなかった。
「なぁ、判定玉ってのは何なんだスラル」
ソウスケの質問にスラルは一瞬驚いたが、ソウスケが最近山から下りて来たのを思い出し、ソウスケが判定玉の存在を知らないことに納得がいった。
「判定玉というのは見た目はただのガラスの球だが、触った相手が犯罪を犯しているのかが分かる魔道具だ。小さな町にはあまり置いてないかもしれないが、大きな街には大抵置いてあるぞ」
スラルのしっかりとした説明に、ソウスケはなるほどなと思った。
(大きな街に犯罪者を入らせることなんてしたくないのが普通だからな。でも小さな町には置けないってことは、結構貴重な魔道具ってことなのか。・・・・・・もうちょいあのダンジョンを有効活用しておけばよかったかな。いや、それだとスラル達が死んでたかもしれないし、あそこで切り上げておいて正解なんだろうな)
ソウスケはダンジョンで、新しい宝箱が出るのを待てば良かったかと思ったが、その考えは否定した。
判定玉の事を考えていたソウスケに、エルミが元気よく話しかけて来た。
「ねぇ、ソウスケはまだ冒険者登録をしていないのよね」
「え、あーーー確かにそうだな」
ソウスケはダンジョンで冒険していたことで、気分はすっかり冒険者気分だったが、実はそうでないことを思い出した。
「ソウスケぐらいの実力だと直ぐにランクが上がっていきそうね。直ぐにDランク・・・いえ、Cランクにはなりそうね」
エルミの話を聞きソウスケはそんな簡単に上がるものなのかと疑問に思った。
実際はエルミが言っていた様に、最初から一定の実力があればDランクまでそう時間をかけずに昇格することが出来る。
だがソウスケとしては、確かにランクが上がればいろいろ優遇されそうな気がするが、そんなに直ぐにランクを上げたいとは思わなかった。
「俺はそんなに直ぐにランクを上げなくてもいいかな~~~~」
「どうしてだい?? ランクが上がれば報酬も増えて、色々優遇が効いて悪いことは一切ないと思うんだけど」
アガレスが本当に不思議そうな顔でソウスケに聞いてきた。
少し、理由をなんて言うか纏めてから、ソウスケはアガレスの質問に答えた。
「なんていうか・・・・・・そのランクの時にしか出会うことが出来ない人、ってのもいると思うんだ。一気に高ランクになったら、ランクが低い人とはあまり関わらなくなるだろ?。俺は、そういうのはもったいないと思うんだ」
ソウスケの答えを聞いた三人は、納得がいった様な、いかない様な顔をしていた。
「・・・・・・確かに、ソウスケの言うことも少し分かるな」
「そうね~~。でも私はやっぱりランクが早く上がることに、越したことはないと思うわ」
「なるほど、ソウスケの考えは確かに共感できるね。色々な人との出会いは、自分達にとっても良い経験になるだろうしね」
スラルとアガレスはソウスケの意見に賛成気味で、エルミはやや反対気味だった。
ソウスケのような意見を持つような者もいないわけではないが、ソウスケの場合は圧倒的な実力を持つが故の考えであり、普通の冒険者は基本ランクを上げようと必死だ。
特にソウスケやスラル達と同じぐらいの年代なら、尚更だろう。むしろ一番必死にランクを上げようとしている年代ともいえる。
「あ、そろそろ私たちの番ね」
話している内にソウスケたちの番になった。
今のソウスケは犯罪など一切してないので、もの凄く気持ちが軽かった。
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