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百三十五話作るのに時間が掛かった試作品

「それから木材を使用しない鉱石等を使用する場合の値段はこちらで決めてもよろしいか?」


「ああ、そこら辺はお願いします。そういった物を買うのは貴族や王族、豪商の方達だけでしょうから」


ソウスケとしては木材を使用するオセロとチェスが一般市民にも手の届く価格であって欲しいだけで、駒等を鉱石等で作った場合の値段は正直どうでも良かった。

鉱石、宝石等の値段は全くもって知らない為、ソウスケはその辺りの事は全てトーラスに丸投げした。


そしてオセロとチェスの商談が終えたのを確認したソウスケは、先日出来上がったエアーホッケーの試作品をトーラスに話そうとした。


「それで少し話が変わるんですけど良いですか」


「ええ、勿論大丈夫ですよ。何かまた新しい娯楽についてですか?」


トーラスの言葉には少し期待が込められていた。

オセロとチェス、この二つだけでもこの世界にとったら革命的な娯楽なのだが、それを作ったソウスケならばもしや・・・・・・という思いがトーラスの中にあった。


「はい、これが新しく作った娯楽・・・・・・エアーホッケーです」


少し名前を変えようとソウスケは思ったが、良い名前が思いつかなかった為そのままにした。


ソウスケの魔法袋から出されたエアーホッケーを見たトーラスは眼を大きく見開き、口を開けて言葉の通りそのまま固まってしまった。


それは近くで待機しているセッツも同じだった。


二人が予想していたのはオセロとチェスの様なボードゲーム型の娯楽だった。

だがソウスケの魔法袋から出て来た娯楽は二人の予想をはるかに超える大きさだった。


「えっと・・・・・・このエアーホッケーについて説明しても良いですか?」


ソウスケは遠慮気味に固まっている二人に声を掛けた。

ソウスケに声を掛けられたトーラスとセッツはハッとした表情でエアーホッケーを取り出したソウスケの方を向いた。


「そ、ソウスケ君。こ、これはいったいど、どういった娯楽なんだ」


「遊び方をこれから説明しますから、ちょっと落ち着いてください」


トーラスは先程までの商売顔、ポーカーフェイスが完全に崩れており子供が本物の剣を見ているように興奮していた。

ソウスケの位置的にセッツの顔は見えないが、セッツもトーラスと同様にポーカーフェイスが崩れていた。


(なんか、少し前に同じような表情を見た気がするな)


デジャヴを感じながらもソウスケはトーラスに落ち着くように促した。


「そ、そうだな。すまない。少し興奮し過ぎていたようだ。是非説明を聞かせて貰おう」


トーラスは一旦落ち着きはしたが、先程までの出来る大人の表情は全て消えていた。


「まず遊び方なんですけど、この二つの・・・・・・マレットでこの円盤、パックを打ってお互いのこの穴に入れ合うんです」


ソウスケはミレアナに手伝って貰い実際に道具の名前を言いながら実演し始めた。

勿論せっかく造ったエアーホッケーを壊さない様に手加減をして。


「ですが何もしないとマレットでパックを打ってもあまり前に行きません。まぁ、自分達みたいな冒険者の様に力のある者は別かもしれないですが」


説明をしながらソウスケは台の側面に回り、一つのボタンを押した。


「ここのボタンを押すとこの面から風が吹き出てきます。とは言ってもほんの少量です。風の強さはこのパックが少し浮くか浮かないか程度です。ですが、ご覧の通り」


ソウスケがもう一度パックを打つと、先程は境界線程で止まったパック勢いを失う事無くミレアナの所まで届いた。


「相手の所まで余裕で届きます。勿論込めている力は一回目と変わりません。こうやって相手の穴・・・・・・ゴールに向かってパックを入れるんです。基本的にはこんな感じですね。後片方の手は勿論使用しては駄目です。パックを打つのも止めるのもこのマレットだけです。そして遊び終わったらボタンをもう一度押すと風が止まります。勝敗は先に十点を取った方が勝ちです。まぁ、点数自体はその時その時で変えていいんですけどね」


一気にエアーホッケーについてソウスケが説明をした内容を、二人は全て聞き逃さない様に真剣に聞いていた。

そして内心直ぐにでも遊んでみたいという思いが高まっていた。


「説明はこんな感じです。それではとりあえず一回遊んでみてください」



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