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百二十二話・・・・・・規格外どころじゃないな

「・・・・・・あそこか」


ソウスケは上を見ると他の木と比べて一際デカい木を見つけた。

あの木ならモンスターが巣を作る事が出来るだろうと思えるほどに大きく、木と言うよりは大樹に近いかもしれないと思った。


「確かにあれほどの大きな木であればスナイプビーが巣を作る事が出来そうですね」


「ああ、そういえばミレアナはクイーンスナイプビーと戦った事があるんだったな。何か気を付けた方がいい攻撃とかってあるか」


ダンジョンの最下層のラスボス、ワイバーンと戦って勝った事でソウスケは余りにも規格外なモンスター以外には苦戦はしても負けないだろうと思っているが、戦いに関しては基本的に素人であり、今までセンスに任せて戦ってきている為、搦め手の様な戦法で来られると万が一があると不安に感じていた。


なので実際にクイーンスナイプビーと戦った事があるミレアナに特徴を聞いて、万が一の可能性を消したかった。


「そうですね・・・・・・スナイプビーより動きが速いのは勿論なんですけど、針には毒以外に麻痺の効果もあります。耐性が無いと直ぐに体全体に痺れが回る訳じゃないですけど、確実に動きは鈍くなりますね。後針を連射する事もあります。戦いの最中に針を連射できるという事を忘れた頃に使って来るので、なるべく忘れない様にして下さい。」


確かにクイーンと言うだけあって厭らしい能力と戦法だなと思ったが、正直針が連射できる能力はなぜそんな事が出来るのか理解出来なかった。


(は、針を連射だと・・・・・・確かにスナイプビーも針を飛ばしたらまた尻? から針が生えてきていたけど連射となれば話は違うよな。・・・・・・もしかしてあれか、ロケット鉛筆の様に針が何個も重なっているのか?)


今自分がいる世界が、日本とは全く違うという事は分かっている為、納得できない事もないが、はい分かりましたと直ぐにそれが常識だと思える程の柔軟性はソウスケには無かった。


「そして風魔法も使います。基本的にはウィンドカッター、スラッシュを使う事が多いんですが、偶に針に風の魔力を纏わせて飛ばす個体もいるので頭の片隅に置いておいてください」


「分かった。にしても風魔法か・・・・・・」


風魔法は属性魔法の中で一番応用が利く魔法だとソウスケは考えている為、益々戦い辛い相手だなと思った。


(モンスターがどれだけ知能が高いのか知らないけど、クイーンって言うくらいだからただ単純に攻撃してくるだけのバカじゃないだろうな。まぁ、蛇腹剣と水龍の蒼剣を使えば多分瞬殺だけど、それだと素材や魔石がな・・・・・・そこまで手加減が出来る訳でも無いし、素材は別に良いとして魔石は欲しいから粉々になると困るんだよな。あと蛇腹剣で喰い辛くなるし)


先程の闘いでスナイプビーを蛇腹剣に喰わせ忘れたソウスケとしては、スナイプビーの上位種になるクイーンスナイプビーは是非蛇腹剣に喰わせたかった。


「カードは多い方が良いからな・・・・・・」


普段のソウスケからはあまり考えられない狩猟的な笑みを浮かべている顔を見たミレアナは、本当にソウスケが命の争いが無い環境で育ったのか疑問を感じていた。


そして二人が探し始めてから約十分後、ようやくソウスケとミレアナはスナイプビーの巣を見つけた。


「いや~~~・・・・・・木が大きいのにも勿論驚くけどあれ、本当にスナイプビー・・・・・・蜂の巣なんだな」


ソウスケの目先には目測で約縦十メートル、横七メートル程のスナイプビーの巣があった。


(というか木の大きさもやっぱり凄いな。大樹に近いどころか、完全に大樹だな。そういえばこの森の木も前世と比べて高さや太さが倍近くあるよな。今まで気にしていなかったけど)


目の前の樹齢が全く想像できない大樹を見て、ソウスケはこの世界のあらゆる物を前世での物差しで考えるのはもうやめよう、気にしたり考え過ぎたら負けだと思った。


「私も久しぶりに見ましたけど、このスナイプビーの巣は大きいです。私が今まで見てきた中でも一、二を争うぐらいの大きさですね」


「それはーーー・・・・・・なんとも面倒としか言えないな」


口ではめんどくさいと言いながらも、ソウスケは自身が新しく考えた戦法が通じるのか、言葉とは裏腹に心は少しワクワクしていた。

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