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百四話頭が故障しているのか?

「さて、とりあえず下に降りてギルドカードを更新しようぜ」


「そうですね、この後何か予定はありますか?」


ブライドとリーナから解散を言い渡された受験生達はこの場に残って今後の課題等について話し合う者もいれば、直ぐに部屋から出て行く者もいた。

特にFランクに試験に受かった冒険者達は嬉しさのあまり、ニヤケ面のまま部屋を出て受付へ向かった。


ソウスケとミレアナもさっさと教室から出ようとするが、二人の前に一人の男が立ちふさがった。


「・・・・・・何の用だよ。ブライドさんに何も出来ずにあっさりと負けた童貞ルーキー。いや、悪臭童貞ルーキーだったか?」


ソウスケの男なら言われたくないあだ名ベストスリーには入るであろう名前で呼ばれたレイガは、一気に顔が沸騰して今にも頭の天辺から湯気が出そうなほど顔が赤くなっていた。


部屋に残って同じパーティーのメンバーと話し合いをしていた冒険者達は、いきなり飛んできた男にとって完全に不名誉なあだ名を聞いて男女共に吹き出し、大笑いしていた。


「そ、そのあだ名で呼ぶんじゃなぇ!!! 俺にはレイガって言う名前があるんだよ!!!!」


「いいじゃん悪臭童貞ルーキーで。まだGランクなのに二つ名があるなんてスゲーー珍しいと俺は思うぜ」


言葉自体はレイガを褒めているが、感情には悪意しか乗っていなかった。

その証拠にソウスケの顔はニヤニヤとしており、完全にレイガを小馬鹿にしていた。


ミレアナもレイガの二つ名を聞いて気持ちが抑えられなかったのか、後ろを向いて口を手で覆って小さく笑っていた。


「ふざけるなよ!! そんな不名誉な二つ名なんているか!!!」


レイガは声を荒くしながらソウスケに要件を話し出した。


「こ、これから俺と戦え!!」


ソウスケに指をさして自分と戦えとレイガは宣戦布告? をしたがソウスケはそれを聞いて何故レイガが自分に戦いを挑んできたのか、さっぱり分からなかった。


(・・・・・・こいつの頭は悪い意味で頭のネジが何本か外れているのか? ブライドさんとまともに戦う事も出来ずに転ばされて地面とキスして負け、その後に俺とブライドさんの摸擬戦を見た筈なのになんで俺に戦いを挑めるんだ? ぶっちゃけ今この場ではプライドどうこうは関係ないと思うんだけどな)


どうしたらいいか分からず頭をポリポリとかいているソウスケは、とりあえずミレアナをチラッと見た。

既にレイガの不名誉な二つ名を聞いて笑い終えたのか、いつもの優しい表情に戻っていた。


ソウスケに視線を向けられたミレアナは、朝に試験が終わった後に特に用事があると聞いていないので、自分は別に構わないと頭を少し下げて合図を送った。


ミレアナがこの後少し時間がとられるのは構わないと思っている事が分かったが、ソウスケとしては正直全く乗り気ではなかった。


(こいつと戦ったところで俺に利益なんて一銭もないからな・・・・・・まだ、こいつが貴族の三男や四男とかだったら金貨ぐらい俺の利益分と言う事で儲けがあったかもしれないけど、俺が言える事じゃ無いけどこいつ見るからに一般人だからな。金は期待出来ないだろうしな~~~~)


自分にメリットは殆ど無いと思ったが、結果的にレイガが恥をかくだけだと思ったのでソウスケは戦いを受ける事にした。


「いいぞ。受けてやるよ、悪臭童貞ルーキー先輩」


ソウスケの安い挑発に再度顔を赤くするレイガだが、ソウスケに勝つ自信でもあるのか表情には余裕があった。

しかしレイガのパーティーメンバーはレイガと違い割と常識人なため、ブライドとソウスケの摸擬戦を見てレイガがソウスケに摸擬戦で勝てる訳が無いと分かっていた。

たが、暴走したレイガは中々止められないと今までの経験上で分かっていたため止める事はせず、部屋から出て訓練場に向かうレイガの後に付いて行った。


ソウスケもレイガ達が部屋から出て行ってから教室を出ようとした。


「ソウスケさん、分かっているとは思いますけど、絶対に手加減してあげてくださいね」


「分かってるよそれくらい。そうしないと悪臭童貞ルーキーレベルじゃ再起不能になるからな」


先程レイガの二つ名を聞いた部屋に残って話し合いをしているパーティーは、ようやく笑いが収まって来たところで、再びツボにはまってしまい暫く会話が出来なくなってしまった。


部屋を出てからソウスケはこのまま訓練場に向かわず放置するのもありじゃないかと思ったが、流石にそれは可哀想かと思い、方向転換する事無く訓練場に向かった。

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