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百話危機感が無さすぎる

リーナがミレアナの以外の遠距離タイプの受験者と戦い終えた結果、ブライドと同様にリーナの圧勝という形になっていた。


ミレアナを除く遠距離タイプの受験者達は、殆ど短剣等の武器を使った攻撃や体術が出来る者がおらず、攻撃方法がリーナから見て子供の喧嘩と変わらなかった。


なので摸擬戦は行うが、遠距離攻撃がどれほどの腕前なのかを確認する為に的を用意し、受験者達は摸擬戦が終わると的に攻撃を行った。


中には魔法を使う者もいたが、ソウスケが興味を引くような受験者はいなかった。


(自分が割と使えるのと、ミレアナの腕前を見たせいでその歳にしては凄い技や魔法が、俺には物足りなく感じるんだろうな。というか、本当に接近戦がまるで出来ないんだな。魔力が切れたり、矢が尽きたりしたらどうやって戦うかって考えはしなかったのか?)


ソウスケとしては当然の疑問なのだが、遠距離タイプの受験者達は基本的に全員が他の冒険者とパーティーを組んでいる為、ソウスケの様な考えは思いつかなかった。


そしていよいよ遠距離タイプの受験者がミレアナだけになると、開始線に向かおうとするミレアナにソウスケは周囲に内容がばれない様にボリュームを下げて声を掛けた。


「お前が持っている短剣の刃はミスリルで出来ているんだから、リーナさんの短剣を折るような事はするなよ」


「っと、確かにそうですね。あまり力を入れてなくても折ってしまう可能性は十分にありそうですからね。ソウスケさんの迷惑にならない様に頑張ってきます」


ミレアナの純粋で裏表がなく、あざとくもない笑顔にソウスケは薄っすらと頬を赤く染めながらも手を振って返した。


「ほどほどにな頑張れ」


ソウスケからの応援の言葉を貰ったミレアナは気分は高揚してきたが、少し前に自分が言った通りソウスケに迷惑はかけない様にしようと、頭をクールな状態になる様に深呼吸をして心を落ちつけた。


そしてミレアナと向かい合ったリーナは、正直目の前の受験者のエルフ(ハイ・エルフ)に勝てる気が一切しなかった。


(パーティーの少年・・・・・・ソウスケ君だったからしら? にも驚かされたけど、正直ここまでランクと実力が合っていない冒険者は見た事がないわね)


ソウスケは存在自体にそこまで迫力があったり目立つ特徴をしている訳では無いので、強いという事は分かるがソウスケの本当の実力を読む事はリーナには出来なかった。

だが、ミレアナの実力はある程度予測する事が出来た。


(自分で言うのもなんだけど、戦いの最中に接近戦になっても問題が無いように短剣術もそれなりに鍛えているのだけど、おそらく勝てない気がするわ。それに魔法なんて、尚更勝てる気がしないわ)


ミレアナと対峙したリーナは即座にブライドと同じように、少しの間だけ戦ったら摸擬戦を切り上げようと決めた。


そしてブライドが開始の合図を行うと、リーナは今までと同じようにその場から受験者の方へ駆け出した。

ミレアナへ駆け出したリーナは既に腰から短剣を引き抜いていた。


今までの受験生への攻撃パターンが少しだけ違う事に気が付いたミレアナは同じく腰から短剣を抜き、自分に向かって来るリーナの方へ走り出した。


ミレアナが力を抑えていることもあって、先に攻撃を仕掛けたのはリーナだった。

比較的隙を生まない突きでミレアナの右肩をリーナは狙ったが、ミレアナはその攻撃を読んでいたかの様に膝を折って突きを躱して今度はミレアナがリーナのお腹に突きを放った。


だがリーナも自分の攻撃が当たるとは全く思っておらず、突きの時に完全に踏み込んではおらず、直ぐにその場から左に回転して躱した。


そこからは二分ほどヒットアンドウェイの攻防が続いた。

戦いの様子から両者の力量は互角・・・・・・と、ソウスケ以外の受験者は思っていたが、他の三人は違った。


ブライドはミレアナの舞の様に感じる攻防に思わず審判の役目を忘れて見惚れていた。

ソウスケはある程度ミレアナの実力は知っていたが、それでも手加減をして互角に戦っているように見せている技量に少なからず驚いていた。


そしてミレアナと直接戦っているリーナは表情に少しずつ余裕がなくなって来ていた。


(・・・・・・何秒、何分たったのかしら。もうずっとトップスピードで動き続けているから少しきついわね。そろそろ摸擬戦を切り上げましょう。これ以上戦って得る物はあるかもしれませんが、こちらは後数分で体力が底を尽くのが見えていますからね)


リーナは一瞬だけ身体強化のスキルを使い、後ろに大きく飛びのいた。

リーナが何をしようとしているのかが分かったミレアナは、リーナと同じように後ろに飛びのいた。

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