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「マスター見てください。大きなお城がありますよ。」
俺とミラは街にやってきた。街というか、これ、王都じゃないかってレベルの大きさだった。
「あぁ、さすがは異世界だ。ギルドに行くまで街を見ていくか。」
ミラは力強く頷きながら、周りをキョロキョロと見渡した。
「あの、マスター…そこの路地裏に男が3人女の子と女性を襲ってます。」
俺は、路地裏の方に行くと、ミラの言った通りに男達が女の子と女性を襲っていた。
女性が女の子のことを庇いながら男達に抵抗をしていた。
「やめろ。この外道が…私はともかく女の子まで手を出すのか…」
女性は震えながらも男達から女の子を守っている。
大した根性だ。こういう人材は欲しいものだが、生憎男達を倒すほどの力を俺は持っていない。
仕方ないが、見なかったことにしよう。
「マスター普通は勝てないと思っても挑むものでは無いのではないのですか?まぁ、私もあの人達のことは興味ないので別にいいですが…」
俺も大概性格悪いとは思うが、ミラも相当性格悪いな…そう思いながらその場を去ろうとした。
「この世界にはクズしかいない…私欲のために何でもする…こんな腐った世界滅びればいいんだ。」
女性の悲痛な叫びが聞こえた。俺は、この言葉を知っている。日本にいた時毎日のように叫んでいた言葉だ。
学校という牢獄、家庭という地獄…俺には居場所がなかった。この世界でも俺と同じ思いの人は居るんだな…っと思った。
「気が変わったあの人達を助けるぞ。ミラ、俺がアイツらに勝つためには何をすればいい。」
異世界に来て初めての同族だ。見殺しにできるか。
俺は、蛮勇と無謀を履き違えたりはしない。使えるものはなんでも利用するだが、それは救いたいものを救うためにだ。
自分のやるべきこととやりたいことが一致する時、人は強くなれる。
「マスター了解です。これから私の指示に従ってください。」
俺は軽く頷く。
「まず、頭の中で自分のステータスの上昇を意識してください。簡単に言うと力を望んでください。そのあとスキル改命を発動してください。」
俺は、言われた通りあの人達を助けれるだけの力を望んだ。あえてそれ以上は望まない。俺は圧倒的な力など欲しくはない。自分の助けたい人を助けられるだけで…
「スキル発動…改命…対象、如月大和」
スキルを発動すると俺の周りに、虹色の粒子みたいのがでてきた。
「マスターこれは、一つ一つがステータスなのです。赤は物理攻撃力、青は魔法攻撃力、黄色は物理防御力、緑は魔法防御力。数十倍ステータス上がってますね。これで倒せるはずです。」
自分でも分かる体が軽いこれならば勝てる。
俺は、女性達の方へ向かった。
「おい、オッサンそこの子達助けたいんだけどいいか?」
生憎人助けをしたことがないので、気の利いたセリフが出なかった。結構、恥ずかしい…。よく、アニメやマンガでこんなにも恥ずかしいことを堂々といえるな…っと思った。
「オッサンって俺らのことか?まだ、20代だわ。いや、それよりこの人数相手にコイツらを助けることが出来るか?」
相手の言ってることはごもっともだ。俺はどこからどう見ても弱そうな体型だ。逆に相手は鍛えているのかわからないがすごい筋肉を持っている。
だが、関係ない。
「ゴチャゴチャうるせぇ、さっさとそこの子達置いて帰れ。」
俺は知ってる。気の短い相手は怒らせるだけで攻撃が単調になる。
俺は知ってる。力=強さではないことを。
「クタバレ餓鬼が…いっぺん死んどけ。」
三人でいっせいに掛かってきた。
俺は、相手一人に足払いをして、残り二人にぶつける。
相手が転けた隙に女性と女の子を手を掴みすぐさま逃げる。
あそこまで、自信満々に救うと言ったが、誰も倒すとは言っていない。俺の目的はあくまで、二人を助けること助けるための最善の手を打っただけである。
「マスター私はあの男達を倒すために力を欲したのだと思いましたが、まさか、本当に救うだけとは…マスターは優しいですね。誰も傷つけずに倒す。素晴らしいと思います。」
最後はカッコ悪かったが俺はやることはやった。後は、男達が来る前にどこか安全な場所に行こう。
「マスター、ギルドに行くというのはどうでしょう?あそこなら男達も手が出せないと思います。」
まぁ、元々ギルドに行くつもりだったからいいか。
この人達に聞きたいこともあるからギルド内でゆっくり話すとしよう。
脱字や接続部が多少変なところがあります…
すみません。