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◆58.メール受信

私は、優生の誕生日以来、かばんの奥にしまってあった携帯を取り出した。


『メール受信5件』


そう表示された携帯を開くことができず、テーブルの上に置いて眺めていた。


(きちんと雅弘とのけじめをつけなくちゃいけない)


私は心を決めて、携帯のボタンを押した。


”今度会える日はどこかにいけるといいね。今日は朝からスタジオに缶詰状態で、玲香の顔ばかり浮かんでくるよ。愛してる”



”メール見てくれているかな?今日は雪が降って寒いね。風邪引いてない?この広い空の下で、同じ雪を見ているだけで幸せな気持ちになれる。君は僕にかけがえのない幸せを運んでくれる

いつもありがとう”



”メールがないから心配してるよ。体壊したりしていない?これから寒くなるから、ちゃんと温かくしてね”



”どうしてるの?心配しています。どうか、メールだけでも下さい”



”僕、君を怒らせちゃったのかな?今日はずっとスタジオ入りです。時間があれば電話ください



メールを順番に読んでいくと、雅弘への想いが強く切なくなってきて、胸が張り裂けそうになる。

でも、私の中の決心を揺るがせすことはできない。

もう決めてしまったこと。


私の大切な家族・雅弘の大切な家族・そして私達の愛し合った思い出。

全部を守る為には、こうするしかないのだから・・・。


自分の中で何度も何度も言い聞かせ、私は雅弘へとメールを送った。



”長い間メールできなくてごめんなさい。明日の約束は大丈夫です。楽しみにしています”



私は明日、雅弘に二人の関係を終えることを伝えに行く。


それは、雅弘と愛し合った記憶を綺麗に終わらせる為に、きちんと会って終わらせなければならないことなのだと、私は自分に言い聞かせた。

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