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◆50.燃え上がる思い

朝を迎えても、私の心の中には何かが引っ掛かったままになっていた。


聡を送り出し、優生を幼稚園に送る。


平凡な生活・・・。


1年前まではそれが幸せだと感じていた。

でも、東京に来てからは、それが苦痛だった。

そして、元の幸せを取り戻したはずなのに、私は心から喜べなかった。


(雅弘は今頃何をしているのだろう?)


そう思うと自然と体が動き、かばんの中の携帯を取り出した。


『メール受信1件』


画面にはそう表示されていた。


(雅弘からのメールだ!!)


私は、呼吸を整え、ボタンを押してメールを開く。


”幸せそうな君の姿がとってもまぶしかった。これから会えない?無理は言わないけど、もしよければ、来てください。今日もいつもの場所で仕事しています”


私はお店の前を素通りし、駅に向かって走った。

そんな気持ちとは裏腹に、聡と優生の顔が私の頭の中に浮かんできた。


(ごめんなさい。ごめんなさい・・・)

私は心の中で何度も何度も聡たちに謝っていた。

でも、私の気持ちはもう止めることができない。


(雅弘に会いたい!!)


私は雅弘への気持ちに火が付いたように熱く燃え上がるのを感じていた。



こんなに早い時間に、この場所に来たのは今日が初めてだった。

フロントは、チェックアウトの手続きを待つ人たちでごった返している。

私はその人だかりを尻目に、エレベーターに乗り込んだ。

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