◆49.不安と淋しさ
あれから、私は聡たちと何を話し、どこを歩いたのかを全く覚えていなかった。
雅弘の少し淋しげな瞳が、私の心を揺らす。
(どうして、あんな所で出会ってしまったのだろう?神様が私に、罰を与える為なのだろうか?)
部屋に戻り、聡と優生がバスルームに入るのを見届け、私は、リビングのソファーで突っ伏した。
自然と涙が溢れてきて、自分ではどうすることもできない。
「雅弘・・・・」
誰にも気付かれないような、微かな声でそう呟き、窓の外を眺める。
「私、どうしたらいいの?」
雅弘と出会った頃、私の中には、悶々とした不安と不満、そして淋しさが混在していた。
誰かの助けを必要としていた。
そこに優しさという愛で手を差し伸べてくれた雅弘。
その優しさに甘え、私は一人の女に戻り、彼と愛し合った。
でも今は違う。
聡への不満は小さくなった。
ただ、淋しさと不安はまだ今も存在している。
それは、聡に向けられたものではない。
そう、雅弘へ感じる淋しさ・不安・・・。
(今日の事を雅弘はどう思っているのだろう?)
耳を澄ますと、バスルームからは、キャーキャーと優生のはしゃぐ声が聞こえる。
家庭という柵が、私には重く分厚い壁になる。
様々なことが駆け巡り、自分を失いそうになる。
(母として、妻として、女として、一体私はどうしたらいい?)
自問自答を繰り返しながら、出口を探す自分を、もう一人が笑っているように感じた。
長いもので、49話に突入しました。
聡と雅弘の間で揺れ動く、玲香の気持ちを
何とか表現できればと思い書いています。
これから、色々な展開を考えております・・・が、
上手くまとまらず、ダラダラしてしております。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
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