◆27.謝罪
リビングにある大きな窓から、明るい光りが差し込んできた。
聡は結局戻ってこなかった・・・。
私は一人ぼっちで、朝を迎えた。
泣きそうになる気持ちを押さえながら、一人朝食を作る。
こんなときでもお腹は減ってしまう。
トーストとコーヒーの簡単な朝食をとり、私はシャワーを浴びた。
今までの嫌なことをすべて洗い流してしまいたかった。
朝6時
シャワーから出た私は、ぬれた髪を乾かしていた。
ドアが開く音がして、誰かが入ってきた。
聡だ。
聡は私の顔を見て
「帰ってたのか」
そう言ってクローゼットから新しいYシャツを取り出した。
私は黙って聡の動きを見ていた。
「悪かった・・・」
聡は小さな声で呟くように言った。
これが聡の精一杯の謝罪なのだろう。
「昨日言わなかったけど、名古屋に出張になった。月曜には帰ってくる」
そう言うと、クローゼットの奥にあるボストンバッグを取り出し、荷物を詰め始めた。
「私がするから」
私はそう言って、聡の手からボストンバックを奪い取り、必要なものを入れた。
聡は黙ってそれを見ていた。
聡は昨日、一人でどこにいたのだろう。
色々なことが頭の中に過ぎったが、特に聞くことはしなかった。
「ご飯は?」
「いい。移動のときに食べるから」
そう言うと聡は、ボストンバックを持って玄関に向かった。
「いってらっしゃい」
「おお」
聡は振り向くこともなく、背を向けたまま出かけていった。
私はリビングに戻り、窓から見える聡の姿が見えなくなるまで見送った。




