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動物的俺らの日常  作者: 音符のすけ
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薄暗い廊下を、微笑みながら進んでいくひとつの影があった。

廊下の奥、少し広い空間へ出た。そこはただの真っ暗な空間のように見えた。

「帰還、CODE:Ham001」

辿り着いた影……もとい、一匹のハムスターが呟くと、何も無かった空間に突如ひとつの映像が浮かび上がった。


「そろそろ帰って来る頃だと思っていた。目的は果たせたか?……まあ、お前のことだから心配はしていないが。」

映像に映る薄暗い影が問いかける。

「当然、契約は成立しましたよ。事前調査通り、かなりの難癖、もといコミュ障を抱えてますが。」

淡々と報告するハムスターの様子は、「彼」の前にいるときのそれとは全く別物である。

「お前が帰って来るまでに考えていたんだが……こいつ、中学からやり直したほうがいいんじゃないだろうか」

資料を眺めながら、向こう側の影は嘲笑とも呆れとも取れる表情を浮かべる。

「それをなんとかするのが我々の役目、ですよね。全く、何度もこんなセリフ言わせないで下さい。」

「いや、すまないな。」

謎の含み笑いをしながら謝る影の表情からは、明確な感情が読み取れない。


「……それで、今回はどれくらい派遣したんですか」

表情を読み取るのを諦めたハムスターは、話を進めることにする。

「お前の活動が不自由なく行えるくらいの数は派遣したな。ただ、正確な数はこちらとしても把握出来ていないのが現状だ。」

「……数管理くらいちゃんとやってください。」

このハムスターの呆れ顔も何度目だろうか。


すると突然影が声を潜めて囁いた。

「ただ、今回は『奴ら』も加わっている可能性が非常に高い。くれぐれも気を付けろ。」

「我々を舐めないで頂きたいですね。『奴ら』如きで我々がやられる訳がありませんよ。」

「……そうだな。ただ、このところ『奴ら』の活動が凶暴化しつつあるらしい。念には念をいれろ。」

「……了解。」

ハムスターが微笑みながら答えると、空間は再び暗闇に包まれた。

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