ハムスターの心を打つもの
この物語はフィクションであり、実在の人物、団体、事件とは全く関係ありません。
前回までのあらすじ。
高校に入学し、吹部の体験にも参加して思った。社交家多すぎな。(・_・;)
最近になって気付いたことである。
この高校、やけに関西弁喋る奴が多いと感じる。
最初に出会った赤塚もそうだったし、クラスメイト、吹部もほとんどみんな関西弁なのである。
とここまで考えて、根本的な前提条件が頭から抜けていることに気付いた。
そういや俺、高校から関西に引っ越して来てたんだった……(′・ω・`)←
そりゃ周り関西弁ばっかりで当たり前だわな。(泣笑)
てなわけで、かなり重要な前提条件が抜けてた俺の今日がまた始まる。(序盤からこんなんで大丈夫なのかな、俺……)
授業も本格的に始まったが、やっぱり中学の先生がやかましく言ってたように、遥かに内容が難しい。この高校がそれなりに偏差値の高い高校だからなのか。でもまあそれを選んでしまったのは自分なのだから、なんとかやっていくしかない。
しかし、授業を聞いていれば大体分かった中学と違い、授業を聞いていても理解出来ないことがかなり増えた。これは新学期早々置いて行かれるかもしれない……やべぇ。
そんでもって宿題も馬鹿みたく多い。教科ごとに出されるのだが、それぞれの量が頭おかしい。そんでもって次の日提出とか言われるから、毎日家でひいひい言う始末。これが複数教科被ってしまった日にはもう睡眠時間なんて保証出来ないのである。こういうのも慣れればさっさと片付けられるようになるのだろうか……?
そして、無事(?)吹奏楽部に籍を置けて、やりたかったトランペット担当にもなれたのだが、やはり昔ちょっとやっていたぐらいではそう簡単に吹ける訳もない。
周りは殆ど経験者、中学から吹部続けてる人ばかりで、俺のような奴はここでは寧ろイレギュラーなようだ。だからこそ変に足を引っ張ることがないようにしないと、また居場所を失うかもしれない……ああもう、いちいち悲観的になるこの癖、ほんとになんとかしないとな……(´・・`)
そんな吹部の伝統行事(?)で、時々パートのみんなで昼飯を食べながら、談笑したり、時には何か話し合ったりする、パート飯なるものを開催するようだ。(大体菓子パと化すことが多いと、先輩がこそっと言っていた。)
それの記念すべき(?)第1回目があったのは、4月も下旬に差し掛かり、ようやく高校生活に慣れ始めた頃だった。
先輩達が申し合わせたように立ち上がると、俺達1年生6人を前に並ばせた。一体何が始まるのかと思うと、先輩達も俺達の前に並び、
「「せーの!!」」
と言って、吹部のロゴの入ったジャンバーを手渡してくれた。
以前から、先輩達がそのジャンバーを練習中に来ているのはよく見かけたのだが、いつ貰えるのかはよく知らなかったのだが、まさかこんなかたちで貰えるとは。隣の女子など、感極まって涙目である。
大体こういうシチュエーションで泣けない俺は、このときも例に漏れず、泣いてる人を眺めながら何故泣けるのだろうと考えるのが常である。まあもちろん表向きは喜んでいるふうを装って……いや、正直これは予想していなかった。こんなに嬉しい気持ちになれたのはいつぶりだろうか。高校に合格したときもこんなに嬉しくはならなかったのに。それほど俺の心は荒んでいたのだろうか(´・_・`)
とにかくジャンバーを有り難く受け取った俺達は、すっかり忘れていた昼飯を食べ始めた。
そこで先輩達はいろいろ喋りあっているのだが、当然1年生はまだ関わりがない人も多く、黙り込んでしまう。それを見かねたパートリーダーの先輩が、
「よーし、そろそろやろかー!」
と声を上げると、先輩達が待ってましたとばかりに騒ぐ。戸惑う1年生。今度は一体何が始まるのだろうか。(・_・;)