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動物的俺らの日常  作者: 音符のすけ
2/7

ハムスター、吹奏楽部へ

この物語はフィクションであり、実在する人物、団体、事件とは全く関係ありません。


前回のあらすじ。

とある県立高校に入学したコミュ障でチビの俺、飯田京介。

取り敢えず話せる人ができて一安心。

入学式から一夜明け、高校生活2日目。

昨日手帳──うちの高校では毎年手帳が配られる。そこに予定をメモったり勉強時間を記録したり、はたまたその日あったあれこれを愚痴ったりと、使い方は人それぞれにしてよいという──にメモった予定によると、今日から早速部活動体験が始まるらしい。はえぇなおい。


午前中なんやかんやあって、部活動体験の時間。

中学でやっていた吹部以外に特に気になる部活も無かったので、吹奏楽部を見に行ってみる。

「こんにちは!」

「こんにちわー」

あちこちから挨拶の嵐。やっぱりこういうのはどこへ行っても一緒なのか。

案内の先輩に連れられ、説明会が行われるという音楽室へ入る。

空いてる席に座って待っていてと言われたので、無難に端のほうの席を確保する。

見回してみると、男子もちらほらいるみたいだ。一人じゃなくて良かった。中学では男子は俺一人だった。それがさらにコミュ障を加速させる原因に……とかなんとか考え耽っていたときだった。


「あ、男子がいるー!」

と、隣に座ってきた女子が話しかけてきた。そんな「トトロがいるー!」みたいなノリで話しかけられても困るだけだ。と思っていると、

「うちの中学の吹部男子おらんかったしなんか新鮮やなー。なあなあ、君何の楽器やるつもりなん?」

最近の女子は初対面の男子にこんなにもがつがつ来るものなのか。俺ここにいて大丈夫だろうか……取り敢えず質問に答えることにする。

「トランペットにするつもりだけど。」

「へートランペットかー。男子らしいなぁー。なあなあ君はー?」

彼女の興味の方向は一瞬にして前の席にいる男子に移った。こいつも赤塚と同じような社交家さんなのか。この高校には社交家ばかりが集まるのだろうか。だとしたら俺は入る高校を盛大に間違えたのかもしれない……いやいや、そもそもコミュ障を直したくてここへ来たのだから寧ろ好都合なのだろう。この環境で頑張るしかない。半ば諦めの混じった決意(?)を固めたところで、吹部の幹部らしき先輩たちが入ってきた。


ここの吹部もうちの中学に負けず劣らずハードなようだ。いや、下手すれば中学よりもハードかもしれない。でもまあそれぐらいのほうが高校生らしくていいのかもしれない。そう自分に言い聞かせる。でないとやっていけなさそう(・_・;)

部活動体験はあと2日ほどあるらしいが、これといった本入部、入部式などというものはないようで、いつの間にか入ってましたー、みたいな感じらしい。そんな曖昧でいいのだろうか(;・∀・)

まあそのほうがあまり目立つこともなく吹奏楽部員になれるのだから都合のいい話ではあるのだろう。取り敢えず、ここでもなんとかやっていけそうな感じがした。


そして、折角手に入れたこの場所で、中学のときのようなことは絶対にやらかすものか、と強く心に誓うのだった。

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