・第五話・ボンド&ガール(褐色眼鏡)
ただいま異世界生活再開一日目から謎の秘密基地にて物資漁りしています。
なんかもう数週間単位で物資漁りしている気がするなぁ。
ともかく、発見したスリングを使い腰溜めに銃を構えながら進む。
次の小部屋からは近接武装が幾つか発見された。錆びた両手剣や割れた盾をどけると、棚から真新しい装備を発見。黒塗りの装飾にナックルガードが付いた反りの深い軍刀。あとは、掌から肘までを覆う長さの金属を重ね合わせた円盾。円形の裏側、握りには奇妙な機械が付属している。
『それ、銃じゃねぇ?』
「デリンジャー系統の単発銃か。四連なのは単純な構造で暴発を防いでいるのか」
試しに機械を触っていると、バチバチと機械側面から弾丸、ライフルの予備を装填できた。
そのままボルトを引くと、装填音と共に盾の握りについたレバーが上がる。
銃弾が共用できるのは素晴らしいが、こんな妙な装備、竜樹が居た世界じゃどの時代にもないと思うんだが。
さて、残る部屋は三つ。どうも、一階は軍人さん用の武装が主なようだが次は何か。
「タクティカルジャケット? 鉢金?」
『いや、異世界でわけわかんねー武装でフル装備って』
とりあえず、収集過程は割愛。
竜樹さんの最終装備としてはこんな感じになりました。
【 頭 】鉢金
【身体】タクティカルジャケット
【 腕 】革製の籠手
【 脚 】ハーフブーツ(黒)
【武装1】32式帝国陸軍長銃
【武装2】複層金属小盾
【副装1】軍刀
【装飾】ポーチベルト/頑丈な覆面
わけがわからないよ。
ニンジャなのか軍人なのか武人なのか。
とはいえ、脈絡の無い装備の理由だけは解った。
武装は半分くらいが収集物、残り半分が元々あったものといったところだろう。
軍刀や銃は元々この秘密基地にあったものだから複数あったのだろう。
ただ盾についてだが、おそらくこれは製作物だ。おそらく、この施設を放棄した何者かの。
「お、この盾は腕に固定できるからライフルも問題なく使えるな」
『いやまぁ、一応は俺も性別が男性だから、そのワクワク感は解るけども』
「あら、それもかっこいいわね」
『なんだこの人は女神か。どんだけいいセンスしてんだ』
ちなみにハルペの方はベルトポーチとサスペンダーがセットになったようなタクティカルベルトを装備している。武器は基本的に不要とのこと。さすが肩書きか『悪魔の喧嘩屋』。あと、ベルトに締め付けられた乳が強調されて若干凶悪な様子になっています。ナイスボイン。
さて、お次は捜索途中に発見した扉の先、地下への階段。
真っ暗な地下へ続くコンクリ製の階段とかやたら怖い。
ランプをハルペに持たせた竜樹は、ライフル構えてコンクリート製の階段を下っていく。
「それにしても、結局何の施設だろうな?」
『解らん。ともかく、ヤバそうだったら引き返せるようにだけはしとけよ』
「宝物と罠がセットなのは王道だからな」
『まーな』
「ところで、そっちの鳥って、貴方の使い魔?」
「そのようなものだ」
『ジロウマルでーす。よろしゅう』
「よろしく」
会話の間にも階段が延々と続く。それにしても長いな。薄暗いから解り辛いが、どれだけ下りたのか。
そのまま地下一階の扉に到着。
ノブを回すガチャリという音が遠くまで反響した。
扉の先は完全な暗闇。音の反響から考えてもかなり広い。
腰溜めにライフルの照準を前に向けた竜樹がトリガーガードに指を置く。素人であれ、トリガーに指を置いたまま動くような粗相をするほど酷くはない。
周囲を確認しようとハルペがランプを掲げ左右に振る。
その途端、ランプを何かが破砕した。
驚く間もない。盾で顔の下半分を覆った竜樹はそのまま膝立ちになる。
同じく瞬時に床へ伏せたハルペは、無言のまま闇の中に飛び込んでいく。
「ぐっ!」
誰かの呻き声が聞こえる。遠すぎて性別も不明瞭だが、どうもハルペに黙らされたらしい。
さすが魔物。この暗闇でも問題なく動けるのか。
「………おしゃべり鴉と引き換えなんと有能なことか」
『うるせぇ。付き合ってやっているだけでもありがたいと思え』
「それもそうだな。ただ、こう暗いと引き返すのも難しいぞ」
『いますぐ光属性の魔術式を取得しろ』
「無茶を言うな」
そのまま暇潰しにダベっていたのだが、傍に気配を感じた竜樹が、思わず手を盾を構えたまま下がる。
「私よ」
「ハルペか」
安堵と共に立ち上がった竜樹がふらふらと手を振り回す。
その手を細く冷たい指が掴んだかと思うと、華奢な肩へ乗せた。
「見えないんでしょ? とりあえず上に戻るわよ」
「敵は?」
「ひっ捕まえたから反対側にぶら下げてる」
うわぁ、片手で人間を掴んで移動してるのかよ。それも無音で。
あんまりといえばあんまりなクラパーチの腕力に驚くものの、ハルペの好意に甘えさせてもらう。
階段で竜樹が数度こけそうになるものの、無事に地上一階に戻ってくるのに成功した。
だがしかし。
「ほら、ついたわひょ!?」
「やわ、い?」
暗闇だというのが実に口惜しい。
急に立ち止まったハルペに思い切り竜樹がぶつかった。それも胸に顔をぶつけるような格好で。
おいおいラッキースケベとか人が分離した途端に妙な技能を取得してんじゃねぇぞ羨ましい。
額にクラパーチチョップという致死攻撃を受けたので相殺された感はあるが、激痛にもんどりうちつつ一階の扉を開く。
再び電気の明かりの下に辿り着けたことに一安心。
そしてハルペはというと、赤い顔を背けながらコンクリ打ちっ放しの床に人影が放り出していた。
『女か。東洋人、というより日本人だろうな』
「個人的にはタイ人も中国人もシンガポール人も区別はつかないが」
『細けぇこたぁいいんだよ。ハルペの倍は乳でかいが、その着ている服見てみ?』
「いちいち下ネタを挟むな。それで、これか?」
『んだな。刺繍で名前がある。多分だけども『大和ヶ原 緑仙』だろう』
「漢字だな。あと、語感も完全に日本語」
『だろう?』
「どうしてこう、わけわからんことばっかり連鎖するものか」
『今更だって』
「それより、どうするのこの女?」
『そりゃ、事情をオハナシしてもらわねばなるまい』
「妙にイントネーションがおかしかった気がする」
『気のせいだ』
「よく解らないが話し合いは終わったの?」
「一応ね」
適当かつ不適切な話し合いはさておき、軍服らしき服装に白衣を羽織った謎の女性を検分する。
薄汚れた濃緑の軍服。タイトスカートから伸びた足にも何箇所か真新しい傷こそあるものの、竜樹が気になったのはそこではないようだ。
「痩せているな」
『健康状態が悪いってのは同意だな。顔色もよろしくない』
乳なんぞ最初に縮むって聞いたが、そこんとこどうだろうな。
とかく、まとめられた癖のある髪は艶がなく、日に焼けた浅黒い肌も乾いていた。
見目麗しい、と表現してもよい外見だが、隈のある目といい、破れた白衣といい、よっぽど苦労しているように見える。もしくは。
現在進行形で苦労しているのか。
『竜樹、どう思う?』
「この馬鹿みたいな威力の長銃の他に、仕込みをしておくべきかな、と思っている」
さすが本体。同じ結論に辿り着いたのか、警戒のレベルを一段引き上げた様子が見て取れる。
死ねないのだから死なないように努力する他ないからな。
「ん、んぅ………」
『竜樹、起きたようだが』
「そうか」
即座に刀を抜くのが竜樹クオリティ。
それこそ『弱っているから優しくするとか何処の世界の常識ですか?』的な対応である。
セメントとかコンクリート並のガッチガチな対応である。
「こういった時はあれかな? 所属と姓名を述べよ、と言っておこうか。脳は無事か?」
「貴殿は、誰ぞ?」
存外に低い声だな、と思った。
竜樹を見る目は瞳孔が微妙に定まってないので目でも悪いのかもしれない。
「同郷かね?」
「かもしれん。敵対しないなら剣を引こう」
「了承しよう。痛ぅ………」
「あぁ額が少し腫れているか。おい、どんな扱いした?」
「え? 殺してないけど?」
「………そういった感覚か」
軍刀を腰に、銃を背に回した竜樹は、軍服の女性に手を貸す。
起き上がらせて残り少ない水を渡すと、焦った様子で口をつける。
口いっぱいに含んでしばし瞑目するように動きを止め、そのまま嚥下するあたりは水不足で苦しんだことがある人間の動作だな。僅かばかり眼の中に輝きを取り戻すと、白衣のポケットから歪んだ眼鏡を取り出す。
リムフレームの洒落たデザインは、眼鏡に皹が入り、
「まずは名乗ろう。大日本帝国陸軍機兵研究室所属、大和ヶ原 緑仙と申す。貴殿は?」
「日本の片田舎より異世界に来た学生。南雲 竜樹」
「やはり同郷であるか」
「いや、厳密には違うだろうな。並行世界、という概念は?」
「外来の小説に然様な話があったような。違う進歩を遂げたそっくりな世界であったか」
「そのようなもの、かな。似たような文化だが仔細には違う世界の人間、くらいに思っておいてくれると齟齬が少なく済む」
「ふむ、君は随分と賢いようだな。異世界とはいえ、同じ日本人として誇らしく思う」
「どうだか。識字率は五十年近く九割五分だが。ともかく、隣はハルペ。ちょっとした同行者と紹介しておくが、この施設について話を聞いても?」
「そうだな。出来れば助力願えるかね?」
「時と場合によっては」
「さもありなん」
床に座った三人で顔を突き合わせる。俺はそこらの鉄パイプか何かを足場に傍観中。
竜樹もまぁ、異世界到着当初の嫌々関わっていたコミュニケーションを自ら実践するようになりつつあるな。ぐっじょぶ。
さて、緑仙嬢曰く、地下の資材庫をモンスターが占拠したことで、兵糧攻めじみた状況となってしまったとのこと
「小生は研究職でな。武装があっても使いこなせん。外に出れば別のモンスターの餌食となるし、ほとほと困り果てていた次第だ。唯一の戦力も資材庫を占拠されたことで起動もできんし」
「戦力?」
「機兵というものだ。今はもう小型のものしか残っていないが、人型の兵器、とでも言えば解りやすいか? あとは機械式の甲冑もあるが、どちらにしろ現在は使えない」
ロボいんのかよ。
それにしてもモンスターとの戦闘か。初戦の丸鬼とビーカー入りスライムとか、やたらきっついものばっか竜樹は当たっていた記憶しかない。実体験したうえで戦い続けているあたり、変な所で頑固である。
「ともかく、地下の相手を叩きのめせばいいのか? やるだけやってみるが、どんな相手だ?」
「大型の爬虫類だな。拳銃で何度か撃ってみたが岩盤じみた固い鱗で歯が立たん。コンクリートを噛み砕くほど牙も頑強、移動速度こそ遅いが爆発物を使った攻撃も凌がれた」
おいおい、ドラゴンとかだったら詰むぞ。
そういった思いが竜樹と俺の共通認識だったが、嫌そうなハルペの解説で正体が割れる。
「それってモール・リザードじゃない。下手したら地盤が沈下するわよ?」
「知ってるので?」
「ここらで見つけたら最優先撃破対象よ。モグラみたいに地面を掘り進み、鉱脈を食べる習性がある大型のモンスターで、ほっといたら地面が沈むし、森が荒れるの」
「最悪じゃねぇか」
「一族総掛かりで死ぬまで殴り続ける必要があるからしんどいの。生半可な刃は通らないし、魔術式も大半が鱗を貫通できないから隙を見て引っくり返して内臓が潰れるまで叩いていたら日が暮れたり」
「どれだけ硬いんだそれは」
手元の武装ではどう考えても無理そうだと竜樹が眉を顰める。
しかし、こう、しかめっつらをしているとやたら老けてみえるな。確か16歳ということであるが妙に威圧的な雰囲気がある。今までの熾烈な経験によるものか老けて見える。
そう考えていて納得した。
今の竜樹は老成しているようであり、疲れたようであるのだ。
顔立ちだけとれば地味なものなのだが、尖った思考形態も、妙に無機質な眼の光といい、それらに熱が伴っていないようなイメージが強い。作業的というか、思考と行動がどうにも乖離しているような。
さて、自分の影のような存在からそんなことを考えているとは思っていないだろうが、しばらくの黙考で計画はまとまってきたらしい。
「毒か、内部からの爆破だな」
いや相変わらず尖り過ぎだろうこの男は。
「緑仙さん、何か毒物、もしくは爆発物ありませんか?」
「いや、あったとしてもどう使うつもりであるか?」
「悪食に腹痛でも起こしてもらいます。口の中から放り込めば死ぬと思いますし」
「どうやるのよ?」
「適当に」
用意したばかりの銃を確認しているあたりでとある映画を思い出す。
いや、正確には竜樹が記憶し、ジロウマルの名を授かった俺が引き継いだ記録の中から拾い出した情報だが、巨大鮫を退治する映画のラストシーン的なものを。
いや、爆弾を使うなら幾分スマートにはなるか。
「ただ、悪いが爆薬は占拠された物資庫側でな」
「仕方ない。弾丸でいいか」
だからちょっと待て。即席で何を作ろうとしている?
これまた古い海外ドラマの冒険野郎的なチャレンジ精神で、工作室から取り出した弾丸を謎の泥団子の中に練りこんでいた。一抱えほどの泥団子に魔力と弾丸を練りこんでいくのだが、割れた剣の破片だのなんだのを多量に練り込み終えると、残った剣の取っ手をつっこみ、RPG-43手榴弾的な造形に仕立て上げていた。
そのうえ、なにやら緑仙のお嬢さんへ「………ってある?」だの何か胡散臭げな相談のうえ「補修に使うものであれば」という回答に対してなんか悪い顔をしてまた何か企んでいる。顔だけ見たら悪役だよあの小僧。
「じゃあ行こうか」
『そろそろ止めた方がいいかなこの馬鹿は!?』
突っ込んではみたものの、なんか無駄な気はした。
このままほっぽって逃げるのも違う気はするが、なんかこう、正攻法って単語を置き忘れしている感が半端ない。
いやまぁ、邪道だろうか外道だろうが、勝たなきゃ死ぬんだから、選り好みなんざ馬鹿がすることだってのは解るんだがね。
さて、場所は移って地下。
即席手榴弾に加え、を手にした竜樹が壁を背に開けた地下通路を見る。
「居るな」
『居やがるな』
敵認識されないワタクシが偵察役です。本当にありがとうございます。
かちゃかちゃと床に鉤爪を鳴らしながら相手に接近していく。雑食性とはいえ、主食が鉱物という謎生物は予想通りに鳥なんぞには興味を示さなかった。
モール・リザード。初見の印象は象を丸呑みするのではないかという大きさだ。
全長10m越え。貫通してきた岩盤ぶち抜きトンネルから半身を出す姿は鰐に近い。
きらきらと非生物的な輝きを持つ鱗を全身に備え、鉱石の塊が動いているようにすら見える。茶褐色の鱗は外殻としか言い様のない有様で、正直、あんなものとか関わるのは厭だ。半殺しで済めばいいくらいだよ。
そんな相手に喧嘩を売ろうとか無謀極まりない。
「やっぱり帰ろうか」
『うん、怖気づいたのか。すっげぇ解るけど』
そりゃあ怖いだろう。前は怪獣病というマイナス要素にしてチート能力があった。身体的な頑丈さのおかげで多少の無理をしても通った。ただし、現在はモブ臭漂う一般人より多少マシなレベルといったくらいだろう。
あんなものとガチ殴り合いしたら死ぬ。いや、喰われる。
今は機転と知恵と火力だけでなんとかせねばならんと。
魔術式と格闘術があるだけマシだろうが、この世界では避けて通れるものではない。
『腹ぁ決めるべきだろう』
「仕方ないか。死ぬ時は一緒だぞ」
『残念ながらそうだろうよ』
そうならないように偵察機のように飛び回るくらいやってみせるさ。
女性陣二人は居残り。やらかす予定があるので帰ってこなかった場合は骨を拾ってくれとだけ言ってある。ハルペはともかく緑仙はあからさまに足手まとい臭がぷんぷんしていたので。
「すー………」
気の抜けたような深呼吸。どうやら落ち着いたようだ。
「行くぞ!」
『おう!』
○○先生の次回作にご期待ください!
などというジョークを飛ばすのも、基本が傍観者だからだろうか。
二車線道路幅、広い地下通路に竜樹が飛び出す。
とはいうものの、目の前に聳える巨大な存在は小柄な人間一人程度は歯牙にもかけなかった。
明らかに無視したまま壁材のコンクリートをスナック菓子のように食い荒らしている。
さて、モール・リザードにとってこの脅威度判定の失敗は痛かった。
「えい」
軽い掛け声と共に致命的な攻撃が見舞われた。
素焼きの壷がモール・リザードの口の中で割れる。
違和感に慌てて口を閉じるリザードだが、途端に口が開かなくなった。
「鼻もいっとくか」
そのまま《砂礫波動》で散らばっていた瓦礫から魔術式によって舞い上がる。
砂塵がリザードの鼻腔へ殺到し、接着剤で口を塞いで鼻の穴を砂で埋められた。
大型モンスターの倒し方で窒息死を選ぶあたりとんでもねぇと正直に思う。ぶっちゃけ、どこからその発想を得たのかを問い詰めたいレベルである。
ともかく、四足歩行の獣には防ぎきれない攻撃に対し、荒々しく悶え暴れまわっていたトカゲさんであるが、暴れることで酸素が浪費され、そのままそう間も空けずに徐々に動きは弱まっていき、最後には痙攣も止まった。
さらに発砲。
そこで何の躊躇いもなく白濁しかけた眼球から頭蓋へライフルから弾丸が放り込む竜樹。
悪魔かよ、というか悪魔だな。
びくんと一際大きく跳ねたことを確認した瞬間に「やっぱり生きてたか」とか呟くのは怖いのでやめて欲しい。
ともかく、鱗と鱗の僅かな隙間からナイフを潜り込ませ、何の躊躇いもなく死体剥ぎを始めたあたりでさすがにツッコむ。
『おいおい、何してんだよ?』
「肉食えるかなって」
『どこぞのゲームに影響され過ぎだと思うが、そういやこの施設の食糧事情ってどうなっていると思う?』
「このまま腐らせるのもどうかと思うし、とりあえず剥ごう」
『そうだな、もうそれでいいや』
早々に否定やら熟考やら諦めるとナイフの届く大きさに抉り取られた肉を袋に詰める。
なんか、軽々と倒してしまったが、正直これって中ボス戦のレベルじゃねぇのかと悩む。
とはいえ、あのバケモノ達に比べればこんなもので躓いているわけにもいかないってのは解るのだが。
早々に地上一階に帰還。
呆気にとられた様子で緑仙がお土産を見る。ハルペは何か難しい顔をしていた。
「………あれって、そんなに弱かったっけ?」
「いや、そんははずは、んん?」
さて、脅威は排除されたので明日は地下二階の探索です。
睡魔に負けた竜樹が悩む二人を放置して早々に寝たのでまた次回ってことで。
つーか、下に行くとあの遺体が放置されているわけですが、そこんとこどうしましょう?
そういったことを誰に相談するわけでも俺も寝た。なんかもう面倒くさい。
いちいち驚いていたら身がもたねぇっての。
更新未定です




