1/2半年、魔術師として
今回は殆ど説明会です
あれから半年がたった。
あいつ、まあレイって言うんだけど
あいつはどうやら巡回中のハイエルフ
だったらしい。あ、ハイエルフってのは
エルフの上位種族でエルフ達を束ねる
立場にいる偉いやつらしい。
そんなやつに見つかった俺はと言うと
現在レイの造った家で座学をしている。
「良いかい、ソウ、復習だよ」
レイは真面目な顔で俺言ってきた
「魔術に付いて説明して。」
促されて俺は答える
「魔術とは全ての生物が身に宿している
魔力と呼ばれる力を使って
様々現象を引き起こす技術です。」
レイは一つ頷くと質問を変えた
「では、魔術使用における流れと
魔術の種類を答えなさい。」
俺はめんどくさくなりながらも
答える、なんどもやった内容だからだ
「魔術使用の行程は
まず体内にある魔力を感じて、
使用したい魔術を頭に想像する。続けて、想像が終り次第体内の魔力を動かし射出、または患部、または場所に集める。此処までの行程を集中と呼ぶ。
そして集中が終り次第、詠唱する。」
少年は満足気に頷くと一言言った
「その時の注意点を述べよ」
ソウは言う
「この行程で注意する事は
集中の際に使用する魔術に付いて明確に想像しなければならない。どんな種類の魔術か、また範囲はどの程度で収めるか、魔力の残量は把握できていて、なおかつ非常時において使用する魔力は残っているか等を確認し、呪文を唱え使用する。」
ソウがそう述べるとレイは笑顔で
頷き纏めた。
「そうだね、では最後に魔術の種類を説明するよ。」
レイは集中し
空中に七つの玉を産み出し
ソウの前に一つづつ浮かべ言った。
「まず一つ目、基本的な魔術として
攻撃魔術。なぜ他に害を与えるモノを
一番最初に数えられるかと言うと?」
レイは浮かべている玉を剣の形に変え
切っ先をソウに向けて聞いた。
「攻撃魔術が基礎にして基本と唱えられる理由は、絶対的な理由として魔物に対抗する際に高い効果を示す手段の一つだから」
ソウはレイの顔を見ながら言うと
向けられた剣は霧散した。
「二つ目、再生魔術。これは純粋に解るよね。あまりに簡単だから省略するよ。」
レイはそう良い二つ目の玉を消した。
「三つ目、防衛魔術。これもわかるだろうから省略。」
三つ目を消した。
「四つ目、支援魔術。これは戦闘中において短時間対象の一部または全体的に能力を向上させるものだね。また、反対の作用をもたらす魔術もコレに分類される。高ランク冒険者や高ランクの魔物は必ず使用するモノだね。」
四つ目を消した
「五つ目、構築魔術。これは別名儀式魔術。道具を用いたり、決められた法則で魔力を操作し決められた効果を必ず起こす魔術だよ。この種の魔術は誰が使っても効果が同一しする事が最大のメリットだね。」
ソウがよく見ると五つ目の球は簡単な
魔術式が記されていた。
「六つ目、操作魔術。これは魔力を制御する為の魔術だよ。通常魔術師は体内に宿る魔力を感じて体外に出し一定時間留める事が出来たら魔術師を名乗れるんだけど、これが態々他の項目と同じ様に語られるのには理由がある。」
六つ目の球がソウの前に移動し、突如
六つの球に別れ、ソウの周囲を囲った。
「理由を述べよ」
レイは真面目な顔でソウを見て
続きを促す。
「特に効果も無いこの魔術が他の魔術と
同格に扱われるのは、全ての、魔術に精通し、魔術使用において最も重要視される行程だから。」
ソウがそう言うと、ソウを囲っていた
六つの球は同時に霧散した。
「そうだね、だから魔術師は日々必ず一度はこの魔術を使用する。魔力を潤滑に淡々と運用するために、どんな状況下でも最低値の魔力で最高の効果を及ぼせられる様に基礎にして奥義に分類されるのがこの魔術だね。」
「最後に、七つ目。これはねソウ、今日初めて教えるけどさこの魔術は最後の最後第一から第六魔術までをあるレベルまで収めると初めて使用する事が可能な魔術なんだ」
そう良い、レイは七つ目の玉を消すと
ソウの前に行き言った。
「それはね、魔術師における秘技だよ
奥義が魔力運用だとすると
これはソウに解りやすく言うと
必殺技みたいなモノかな。
魔術師が深く思考し、第一から第六までを複合した完全にオリジナルの魔術の事を指すんだよ。いわゆる、魔術創造だね。第七魔術はさ。」
そう良ってレイは続けていった。
「ソウにはある程度の練度までは鍛えた
第一から第五までは上級、第六に関しては最上位に近いとこ迄練度を鍛えてある。そろそろ第七魔術に踏み込んでも良いだろうから今日は教えた。でも慢心したらダメだよ、魔術の難易度と魔術師の格を示すランク表示は
初級、中級、上級、最上位、皇帝級、恒級、獄級、天級、神級。となっているからね。その中でもソウはまだ上級魔術師をぎりぎり超えたばかりだかね。それに、これ以上はもう教える事が難しいから。」
レイは少し申し訳無さそうソウに言った
「俺の目的を果たすにどこまで昇れば良いんだ?」
「そうだね、神級の上かな…
一応、君には莫大でほぼ無尽蔵の魔力が産み出されているけど、単純に空間を定め時間を定め時空間を渡る際に此方の世界とあちらの世界を繋ぎ肉体が崩壊しない様に護りながら安全に帰るには神級魔術を五つ、六つを同時展開、維持して尚且つ余裕が無ければ駄目だから。
各地を周り補助に使えそうな魔道具を揃えながら常に修練を怠らなければ
いつかは帰れると思うよ。」
レイはそう締めくくると
ソウに言った。
「君の旅路は長くなると思うよ、それこそ
気の遠くなる程に。その中でもしまた
出会う事があれば僕からプレゼントがあるから楽しみにしてね。」
「まるで別れるみたいだな。」
ソウは言った。
「そうだよ、もう君にこれ以上は教えられないから、それより上は自力で上がって来なよ」
レイは言う
「結局あんたの格はどのくらいなんだよ?何回聞いても教えてくれねーし。」
ソウはふと思い出し聞く。
「最後にだす課題を越えられたら
教えてあげるよ。」
レイは悪戯っ子の様な顔を浮かべ
ながら言った。
「課題?」
「そう、この森。魂の樹海最深部に生息しているランクSSの魔物、亡者の王を倒してきなよ。」
「亡者の王?」
「高ランク魔術師が高みを目指すあまり正気を失った成れの果てだよ。その目で焼き付けてきなよ、良い勉強になるから。」
レイはそう良い更に言った
「取り敢えず今日はこれでおしまい
明日支度をして早速向かいなよ?」
言うだけ言うと、レイは部屋を出て行き
ソウが一人だけ残った。