1-0/神隠し、青年転移。
遠い昔に世界について思考しながら
窓の外を観た、
灰色罹った、白と黒を混ぜて
彩った風景はとても無機質な景色に観えた
昨日迄の自分が観た景色。
昨日の明日の自分が観た景色。
それは掛け離れた風景だった。
昨日の僕は何を観てたんだろう
こんな色の無い場所を
赤、青、緑、橙、白、黒と
態々色付けをして
まるで世界が様々な色に満ちている
風に観えていたんだから。
ほら、
少し、ほんの少し
違う価値観で世界を観れば
それはもう
元から色なんて無かったって
解ったじゃないか。
なんて馬鹿な事を考えては
中二病だと嘯いた
10歳の頃の僕は
十年たった今は
また色付いた世界で生きていた
「起きて」
誰かにゆすられながら
俺は目が覚めた。
ベットから起き上がると
何年も付き合ってる、
彼女が顔を膨らませながら
こっちを見ていた。
「なに?」
俺は眠気眼を擦りながら
彼女に聞くと、彼女は膨らませていた
顔を怒った風にして言ってきた。
「今日は10年目の記念日でしょ?」
そうだった、今年の今日で
付き合い始めてから10年だったな
と思い返し、それから記念日は
旅行に行こうって俺が昨日誘った事を
思い出した。
そして、突然の計画を打ち明けて
吃驚した顔を浮かべながらも
笑顔で頷いてくれた彼女は
凄く、楽しみにしてたんだった。
そう思い返し、
「ゴメン、そうだった。
なんか昔の夢観てたんだ」
俺は彼女にそう打ち明けると
彼女は懐かしそうな顔を浮かべ言った
「私と出会う前の夢?」
俺も同時に少し、思い出に浸りながら
頷き、彼女の頭を撫でてから立ち上がり。
「それじゃあ、××は支度しててな
俺は銀行に行くから」
そう言って
俺は服を着替え、財布と携帯、
鞄を持ち、玄関の戸を開けて
家から外に出る。
後ろから
行ってらっしゃい。
と言う声を聞き、手を振り応え家をでて
早く帰って一緒に支度するかと
考えながら足早に歩き出し、
次の瞬間には意識を失った。