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23:月が最も似合う人


   月のように淡い光を纏う彼女は

   僕の命の恩人だった




   道端に捨てられていた僕を拾ってくれた

   死ぬことしか考えていなかった僕を、助けてくれた

   彼女は僕の、命の恩人だ




   僕の命に代えても、彼女を守らないといけない

   傷一つ付かないように

   しっかりと守らなければいけない




   彼女はすごい上手だった

   銃器の扱い、人を騙す手口、心理戦

   全てが彼女のシナリオ通りに進んでいく

   全てが彼女によって動いている

   僕にはそう感じて仕方が無いんだ




   昼だと普通の大学生でいるけれど

   夜は別の人間になっていた




   悲鳴や命乞いをする人間を躊躇うことなく殺していく

   取引も十分に気を付けて、計画通りに進めていく

   なんて、素早くて綺麗に事を進めるんだろう




   今日も仕事は続く

   ほら、悲鳴と命乞いの声

   それに混じって、発砲の音が聞こえる




   大きな満月を背に、相手に銃を向けて撃つ

   その姿が、僕には月のように綺麗に見えた




   こんなにも月が似合う人がいたなんて、思えなかった

   太陽よりも、星よりも綺麗な月が

   彼女には似合っている




   世の中には、こんなにも似合う人がいる

   きっと、彼女だけだ

   この世で唯一、月が似合う人だった







なんにだって似合う人はいる。

だけど、それが何に似合っていても、人は人。




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