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19:檻の中の鳥



   僕はいつだって、誰かに守られていた

   病弱な僕は誰かに守られていないと、生きてはいけない

   気が付いたんだ

   そこが僕の居場所なんだと

   



   鳥籠の中が僕の居場所だと、気が付いたんだ




   普通の子なら、悪いことしたら両親に怒られる

   けど、僕は違う

   何をしても許されていた

   僕の両親は、僕に怒ったりしないんだ




   普通の子なら、兄弟と喧嘩したりする

   でも、僕は違う

   僕のお姉ちゃんは、すごく優しい

   学校でも一緒の教室にいて、僕の身体のことを気遣ってくれる

   ちゃんと事情を説明してあるから、先生は何も言わない

   僕のお姉ちゃんは、僕にすごく優しいんだ




   でも、僕は自分で生きてみたいんだ

   自分のことは、自分で出来るようになりたいんだ

   両親にも、お姉ちゃんにも守られずに

   自分の力で生きてみたいんだ




   なのに、両親はそれは嫌がる

   お姉ちゃんはすごく否定する

   みんな、悲しそうな顔をして、僕を止めるんだ




   怪我をした鳥は、鳥籠の中で大人しくしている

   飛ぶことはできないし、籠の外に出ることも出来ない

   でも、怪我が治ってしまえば

   自分で籠の入り口を開けて、大空に飛び立ってしまう




   きっと、僕は怪我をした鳥と同じ

   だから、両親とお姉ちゃんは、僕を籠の外に出してくれない

   何処にもいかないで

   そう、言ってるみたいだった




   気が付いたんだ

   僕の居場所はこの中なんだと

   檻の中なんだと




   檻の中なら、逃げることは出来ない

   自由になれることも出来ないから




   僕はずっと、檻の中で生きていく









木で作られた鳥籠の中にいる鳥は、いつしか自由を求めて、自ら入り口を開けて、大空へ飛んでいく。

鉄で作られた鳥籠の中にいる鳥は、自由さえ奪われて、その中で生きていく。




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