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「ありがちゅうが口癖な俺は、ドブネズミに転生されたのでありがちゅうだけで生きてやる」  作者: 1010
プロローグ

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プロローグ

「ありがちゅう」

それが俺の最後の言葉だった。


気づけば、鼻を刺すような悪臭と、じめついた冷気に包まれていた。視界は低く、やたらと地面が近い。いや、近いどころじゃない。俺は、四つ足で立っていた。


「……チュ?」


出た声に、自分で絶句する。


目の前には、黒く濁った水。腐った野菜くず、ビニール袋、そして正体不明の何かが浮かんでいる。ここがどこかなんて、考えるまでもない。


――ドブだ。


しかも俺は、そのドブの主役側。


「いやいやいやいや、転生ってもっとこう……勇者とか、魔王とか、美少女とかじゃないの!?」


思わず叫んだつもりが、「チュウチュウ」としか聞こえないのがまた悲しい。


だが、混乱している暇はなかった。


ガサリ、と背後で音がした。


振り返ると、そこには鋭い目をした野良猫がいた。完全に獲物を見る目だ。つまり、俺だ。


「ありがちゅう……って言ってる場合じゃねぇ!!」


本能が叫ぶ。逃げろ、と。


俺は泥水を蹴り上げ、必死に走り出した。人間だった頃には考えられないスピードで、狭い隙間へと滑り込む。


息を切らしながら、暗いパイプの奥で身を縮める。


――生きる。


ドブネズミでもいい。どん底でもいい。


ここから、這い上がってやる。


「ありがちゅう……この命に、な」


そう呟いた俺の目には、かすかな闘志が宿っていた。

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