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12月3日

12月3日


きょうもほたるさんはきてくれました。

「ねぇ、ロッツくん。

きょうはいいてんきだから、おさんぽしない?」


ボクはそとをみてみました。

そらは、はいいろ で、はれてなかったです 。

ボクはきょうはくもりだよとおしえました。


「ロッツくん、くもりってね、

じぶんにとってはいいてんきなんだ。

わたし、はれている日よりくもりの日のほうが

すきだよ」


ボクはうなづきました。

「それで、どお?さんぽしたい?」


ほたるさんはボクにききました。


ボクは、ほたるさんが行くなら、

ぼくはいっしょにいきたいといいました。






「いいの?ありがとね。ロッツくん」



そしてボクらはげんかんにむかいました。

そとはマンションがいっぱいで、

とくにいいけしきだなとはおもえませんでした。


けどボクはそとにでたおぼえがありません。

なのでそとのけしきをみれて、

ボクはすこしうれしかったです。


「ロッツくん、おててつないでもいい?」

『いいよ』

ボクがそういうとほたるさんはぎゅっと

てをにぎりました。


挿絵(By みてみん)


ほたるさんのてはおっきくて、

ゆびがおもったよりふとかったです。

ほたるさんはボクにふふっとわらっていました。


「なんだかデートみたいだね。」

ボクはすこしてれて


ほたるさんにすこし足を近づけました。


******


ボクらはしばらくあるきました。

するとだんだんヒトがおおくなってきて、

おみせもみえてきました。

くつやさん、ふくやさん、ざっかやさん…


いろんなみせがあります。

けどボクがずっとみつめていたのは

こういうものじゃありませんでした。



挿絵(By みてみん)

おおきなコルクボードにかざったおおきなえ。

そこのまんなかにすわる、こわいオンナのヒト。


「ロッツくん。ずっとえのほうみてるけど、

きになるの?いってみる?」

ボクはくびをたてにふりました。


『いらっしゃいませ…』

オンナのヒトはそうつぶやきました。

きぶんがものすごくわるそうです。


ボクらはえをみていました。

「きれいなえがたくさんあるね。ロッツくん。

ほしいえとかあったりする?」


ほたるさんはききました。

ボクはオンナのヒトがにこっとわらっているえ

をゆびさしました。

なんだかおねえちゃんににていたからです。


「このえほしい」

ボクがそういうと

ほたるさんはさいふをだしました。


「そっかー。それじゃ、わたしはひだりうえ

のえをかおうかな」


すると、ほたるさんはねだんが

かいていないことがわかりました。


「あのーすみません。」

ほたるさんはオンナのヒトにはなしかけました。

『…』


へんじはありません。


「あの、すみません。」

にどめもへんじはありません。


「あの!すみません!」

ほたるさんはオンナのヒトのかたをかるくたたきました。

『…………っ!?』

オンナのヒトはビクッとしていました。


「その…えを2まいかおうとおもうんですが、

ねだんって、どこにかいてありますか?」


『ああ…このえにねだんなんでないですよ…

もってかえってもいいですし、

はらっていただいてもいいですよ…』


オンナのヒトはくらいこえではなしていました。

「そうですか…じゃあこれをどうぞ。」

ほたるさんはおかねをさいふごとはらいました。


『…え?』

オンナのヒトはじっとさいふをみつめています。

『これで…いいんですか?』

「いいですよ。それあんまりはいってませんし。

むしろもっとはらってあげたいくらいです。

あなたのえはほんとうにすてきなので」


オンナのヒトはそういわれて、

めになみだをためました。


『ありがとうございますっ

ほんとうにありがとうございますっ…!』

そういうころにはめからあふれていました。

*******


よるになって、ボクはかってもらったえを

リビングにかざりました。


ほたるさんはやさしいひとだなぁと

そのえをみてあらためておもいました。


けれどボクはわすれてませんでした。

このヒトも、しなせないといけないことを。


そのひとのしぬまでくるしむようすをそうぞう

すると、なんだかぼくもくるしくなります。

みんないきれるほーほーとかないのかなぁ。

そうおもっていると、


なにかをなげとばすおとがきこえました。



ガンッ!ガンッ!

「△□*○□○!△□*〇□○☆△○△☆□!」


なにかさけぶこえがきこえました。


ガンッ!ガンッ!

「*△□!○□△*△□!」


ことばは、あやふやだけど、


おこっていることはわかりました。



ガンッ!ガンッ!


「□△○*□△○!」


そのこえはほたるさんのこえでした。

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