3~少女の奇跡と少年の戦い
クロは潜入と言うよりは戦いの方が得意です。
パワー系忍者です。
紋様が光った。初めて光った。
「嘘でしょ、、?」
乾いた笑いが出てくる。それと同時に、目の前の宙に紋様が大きく現れる。
発動したのは驚いたが、絶体絶命のためかすぐに冷静になる。ここから何が出てくるのだろうか。
この状況を打開できるような獣魔が出てこなければ、弟に捕まってしまう未来は変わらないだろう。
何なら昨日の様子から見て弟に殺されてしまうかも、、、、と思った矢先、紋様から何かが出てくる。
しかしそこから出てきたのは獣魔のイメージであるような魔獣ではなく、
人 だった
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また落ちた意識が戻ると真っ暗な空間にいた。先ほども言ったような気がしたが、ここはどこだろうか?
あたりを見回すと、白い光りが遠くに見える。それ以外は真っ暗だったので、とりあえず歩いてみるか。
だんだんと光が大きくなってくる。光も大きくなっているようだ。
そして俺は光に飲み込まれた。
気がつくと森の中にいた。周りを見回す。知らない木ばかりだ、ミリスが言うには異世界らしいが、、、、
ふと下を見ると、女が座っていた。女は困惑してるようだ。
確かミリスは助けろとかなんとか言ってたような気がするが、、、
「ま、いいか」
ここは知らない世界。どんな動物がいるかわからないし、地形も分からない。危険しかない。とりあえず木にでも登って周りの様子でも見てみるか、、、そう思って立ち去ろうとしたが
「待って!!」
女に言われて立ち止まる。いや、俺はなぜ立ち止まったんだ?
「何の用だ。」
「あなたを、、呼び出したのは、、、私です、、、お願いします。助けてくれませんか?」
「いいだろう。どうしたんだ?」
まただ。考える前に言葉が出た。
「実は今追っ手に追われているんです。私を、、、私を逃がしてくれませんか?」
「わかった。ただ俺はここら辺の地形をよく知らない。逃がせるかどうかわか、、、、」
その瞬間
『ゴァァァァァァァ!!!』
見たことのない化け物が俺らを襲ってきた。
俺はとっさに女を抱えて化け物の攻撃を避ける。近すぎる!煙玉も使えん!
「走れ!!早く!!」
「わ、わかりました!!」
女が走って行く。ここが異世界か、、、
『ゴフッゴフッ』
「おもしれぇ、かかってこい化け物」
こいつの鼻や追跡能力がどんな性能をしているかわからない。なら、あの女を逃がすためには、、、
「とりあえず戦ってみるしかないわな。」
『ゴァッ!』
そう言って化け物は手に持っている木の棒で殴りかかってくる。
「ハッ!」
その隙を突いて足下に潜り込み、手にした短刀で化け物の足を切る。
『ゴァァァァ、、、!』
そう言って化け物は勢いも余って倒れ込み、木の棒を離す。
『ゴァッ!』
倒れる直前化け物が腕をつかんでくる。
「まずいっ!!」
体が宙に浮き、投げ飛ばされ、近くの木に衝突する。
「何だっ、、この馬鹿力、、、」
受け身を取れたからまだましだが、その隙に化け物が立ち上がる。そして俺に向かって突進してくる。「もう立てるのか、、、」
『ガァァァァ!!』
俺も立ち上がり、服の中のクナイを取り出し、構える。化け物は突進してくる。
ガァァァァン!!!!
そう言って俺がさっきぶつかった木が倒れる。やはりとんでもない力だな。
化け物の突進、殴りを避け続ける。
このくらいの速さなら、、!
そして化け物の直線上に立つ。突進してこい、、、次で決めてやるっ!
化け物は距離を詰めるため突進してくる。
『ゴァァァァァァァ!!』
「まだだ、、まだだ、、」
そう言って限界まで化け物と距離を縮める。
「今だっ!オラァ!!」
化け物の突進の勢いも使い、首に向かってクナイを投げつける。
『ァァァァァァァ!!!』
クナイは首に深々と突き刺さり、音のない声を上げながら化け物は倒れる。
「ふぅ。」
とりあえず倒したが、避けて回っているうちに女が走って行った方向がわからないな、、、
ん、いや分かるぞ、、、どういうことだ?さっきの俺の言葉といい、、、まるで俺があの女に従っているような、、、
感覚で分かった女のところに木の上を伝って駆けていく。けがをしてないといいが、、、
何で俺はまたさっきあったばっかの女を心配してんだよっ!!