2~女神様と、困惑の少年
、、何か暖かい。俺は死んだんじゃなかったのか?
そう思うと目を開けることができた。
「あ、起きましたね。おはようございます。」
目の前の女はそう優しい声で言った。
生きてる、、?あのとき確か死んだんじゃ、、、
傷は無い。服装も汚れていないし、何なら新品同様だ。どういうことだ?
俺は目の前の女に質問する。
「オマエは誰だ?ここはどこなんだ?俺は死んだのか?」
まくし立てるように次々に質問をする。
「まぁまぁ、そう焦らないで。一つずつちゃんと答えますから。」
そう言うと目の前に椅子と机が現れる。なんだこの女は、、、忍術でもなさそうだし。
そもそもこいつは人間なのか? 気配を全く感じないぞ、、、。
「どうぞ座ってください。お茶でも飲みながらゆっくりと話しましょう。」
「そんなもの、飲んでいいのか!?」
「ええ是非。私の煎れるお茶はおいしいですよ~。」
そう言って目の前に茶が出てくる。煎れるとは、、、?
まあ、実際旨かった。こんなおいしいのはこれまでの人生で飲んだことがないかもしれない。
「まずは自己紹介からですね。 私の名前はミリス。あなたの世界で言うところの神や仏に該当します。 まあ、あなたなら、薄々私が人間じゃないとわかっていたんじゃないですか?」
「、、、確かに少し人間味がないとは思っていた。どうして俺のことを知っている?」
「質問を追加しないでくださいよ。次はここがどこか、、なのでしょう?」
「あぁ、すまない。続けてくれ。」
「ここは私の住む、、天界みたいなものです。普通の人間は入れませんよ?あなたは今私が肉体と魂を分けた、魂の方としてここにいます。結構大変なんですからね?肉体と魂を分けるの。」
ミリスが一呼吸置いて再度口を開く。
「そしてあなたは死んでいます。毒ですね、主な死因は。」
やはり俺は死んだらしい。やはりアイツの毒はすさまじいな。即効性もないし解毒も容易だが、確実に殺してくる。
、、、まぁ容易に解毒とか言いつつできなかったが。
「死人はみんなオマエと話してから地獄や天竺に行くのか?」
「いやいや、あなただけですよ。最近だと。」
「最近?」
「はい、前回来たのは約100年ほど前でしょうか。少し懐かしいですね。」
ふふふとミリスは笑う。だが、なんだか言動一つ一つが全く感情が乗っていないような、、、
「俺をなぜここに?」
「お願いがありましてね。生き返る代わりに、、、、、を助けても、、、、んです」
「なんて?」
思わず聞き返してしまう。
しかし次の瞬間。また意識が朦朧としだした。生き返る、、、?助ける、、、?そんなことを考えながら意識は闇の中に落ちていった。
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「、、、あら、想定よりも早く転移しちゃいました。聞こえてましたかねぇ。」
そう言うと、ミリスは、椅子に座りながら軽くのびをする。
「せいぜい私のために頑張ってくださいね。勇者様♪」
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