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告白反省会

完全に場面が変わっている。


夏清さんは一度ニッコリと女の子の、夏清の顔で微笑んでくれたよな?


次の瞬間ビンタが飛んできたんだよな?


あれ?


「夏清、、さん?」


『はぁい?』


「つい先程あの優しい綺麗な微笑みと静かな透き通った優しい声で私に告白してくれた、の、は、、夏清さんですよね?」


『はぁい、私です。何か不満でもございまして?』

「イヤイヤ、不満なんてとんでもないですよ、ただ途中からダーク夏清さんになってないかなぁなんてあは、あはは。」


仁王立ちしたダーク夏清の前、広場のど真ん中で正座する俺は力込めて否定する。

ついさっき側にあるコンビニ帰りか、アベックが広場を横切りながら談笑してるのを聞いてしまった。「何、浮気?最低。笑笑笑笑笑笑」笑ってんじゃねぇって睨みつける事もできないほど恐い。

言っとくけどなお前のその腕組んでる男の雰囲気あいつににてるからな、略奪、浮気男に。

それと俺らは恋人3分でこの関係だわ舐めるなよ!


『ずーっと私ですよ?嬉しいですか?』

どうやらまだ夏清さまはご立腹らしい。


「イヤー幸せだなあの夏清さんに告白してもらえてアハアハハ、またあの素敵な夏清さんに会えるのかなぁ?なんてアハハ。」


自分の顔がひきつっているのがわかる。


『お喜びください、このはなしが片付いたら戻ってあげます。』


怒ってる。ナツキヨの顔が母さんが父さんを責めてるときの顔と同じだ。


あながち親子はにたものを好むと言うのは正しいかもしれない。


「はなしというのはいったい?」


『マニュアル、、、ありましたよね?』


「マニュアルなんて、、」

『ありましたよね?』

「ありました」


誤魔化そうとしたが無理。

片手で俺の自転車持ち上げるのやめてください。


『過程を思い出してみましょう。まずは一度挑発、これは良かったです。私が女の子らしくはないと明言せずに私の過去からわからせるようにしたのは。』

「ありがとうございます」


上下関係が出来上がった。


『いえいえ、次を考えてみましょう、次はもう一度挑発、 ここもまぁ及第点。良かったです。』

「ありがとうございます。」

なにもしてないのに俺の自転車のタイヤが歪んだ音がしたのだが?


『、、ただ問題があるのが次ですよね』

「はい」

締観したのか、俺の自転車か土に寝そべる。

後で、、、、いや明日、治療してやるからな。えーーーっと、何とか2号。


『マニュアルには、、いや、私はあそこで怒りをなだめるのを求めたのです。』

「夏清さんが、、お求めに、、?」

『えぇ、私が書いてあなたの父親にナツくんに渡すよう頼んだので。』

「あ、そこを認めますか。」

吹き出してしまった。本番中はマニュアルについて触れるときれるこいつも毎回行われる反省会では認めるから面白い。


『何か?』


圧力。


『あなた三冊とも目をお通しに?』

「なりました!はい、なりました。」


『其の壱、其の弐は何が書いてありました?』

「白紙でした。」

夏清さまが息を吸った、、、、来る。


『ですよね!そこでわかりますよね?え?秘伝の書は、私が書いたと。今でもあなたと連絡とれる幼馴染なんて私くらいですもんね?ありがたいですか?ありがたいですよね?アマジョの私が冴えない略奪され男を今でも大切にしてあげているのだから。そもそもマニュアル使ってた時点で私ですよ!何度目ですか?え?』

「はい!その通りですよ、ほんと夏清さんとまだ連絡とれてて嬉しいなアハハハハ。」


涙が出てくる。悲しい。悲しいぞ。

あのば、、、お母様は略奪されたってことも、俺のスマホから知っていたのか。


『では、なんであそこであれなんですか?私は犬ですか?の!ら!い!ぬ!ですか?』

まるで威嚇する犬のように歯をギリギリ軋ませているあなたは犬です、、、何て事は言えそうにないので。

「そんなわけないじゃないですか夏清さんと野良犬が同じなわけありませんよ!ただ、野良犬がうるさかったので、、、つい、、」


ひきつった顔を素に戻しちょっと真剣な顔で言う。


『嘘ですよね?』

「嘘です。」


ダメだった。あなたはいぬです認めます。


『そもそもナツ君は私に告白されてドキドキしてたのですか?そんな一文どこにもなかったじゃありませんか!』

「いや、、一文だなんて言われましても困るだけでしてはい、、ドギドギしてました。」


心の中の実況を見ていたかのようにいわれ焦ってしまった。


『ドギドギではありません、ドキドキしてましたか?』

「もちろんですよ!本当に、抱きしめたくなるほどにドキドキしてました。えぇ。」

ナツキヨの膝が故意的に緩み場の緊張が緩む。

『抱きしめても構わなかったのですよ』

「抱きしめようかと思ったのですが、その瞬間にビンタが飛んできたものですからハハ、ハ」

視線を泳がせ言い訳する俺は気づかなかった。


ナツキヨの顔が俺の真正面にあったことを。


『では、今抱きしめても構わないのですよ?』

「いや、、今はちょっと、、アハハ、アハハ」

人間美形を目の前にすることが慣れとかないとこういうときに緊張してしまうものらしい。

『今はドキドキしてないと?』

「ドキドキしますよ!もちろんしますけど、、今のドキドキはなんと言いますか恐怖と言いましょうか、、いや、あのー、」

チラチラと彼女のは以後に見える自転車が緊張と恐怖の組み合わせを感じさせてくる。

『私が怖いと?』


女とは怖いものだ。今、目の前にいるのは先程までいた怖い夏清さんではなく俺を魅了した素敵な夏清だ。自転車なんて見えやしない。


「いや、あのー、ねぇ、後ではなしが片付いたら抱きしめさせてもらえたらなぁと。」


ドキドキしたが、今はとにかくはなしをかえたい。


『そーですか、、、』


明らかに怖い夏清さんだ。夏清様はつまんなそうに背筋を戻しながら視線を周囲に巡らす。広場の時計はすでにてっぺんを目の前にしていた。

そろそろか、そんな声が聞こえた気がした、、


『ところで住野ってだれです?、小手川ってだれです?ねぇ?誰なんですか?』


怖さが増した。いつ包丁突きつけられてもおかしくないほど恐怖をかんじる。


自分も緩んだ背中を伸ばさなくてはいけないらしい。

「えっ、、と、それは、私のお母さんから聞いて?」

『えぇ、で?』

彼女は澄ませた声で答えるが顔には、場合によっては殺す。等とかかれていた。


『そんな感じ、で?』

「で?と言われましてもいろいろあったとしかいゃ、お恥ずかしいハハ、」


誰が言えるだろうか、片方はメッセージ交換しながらこれはいけるなどと期待したさきで親友の彼女になっていた女で、もう片方は自分でもわからないなどと。


『色々って?』

「色々といったら色々とねぇ片方は二日で終わりましたけど、、アハハアハハハ、、」

笑ってしまおうもう笑いながら広場を抜けてみようかと、膝を崩した瞬間。


何とか2号!!!!!


捕まっていた。俺の何とか2号が。


『そんなこと聞いてんじゃないんですよ、、何があったかを聞いてるんです。』

「そんなね、、、知ってるくせに」

『知ってたら聞いてはいけないのですか?』


その後、俺はナツキヨに裏でしっかりと事情聴取を受けさせられ、証拠品として相沢のSNSの閲覧も行われ、あの二人が夏に別れていたことが判明し、更にその日の内に相沢が小手川と付き合いだしていたことが判明し見事、ナツキヨの中で相沢がクソ認定された。


また、相沢と住野が付き合っている間も相沢と住野が別れたあとも、俺が住野と連絡取り合ってることに対しての弁明を延々とやらされた後、なぜか住野が泥棒猫認定された。


連絡取り合ってるのに別れたのも教えなかったのかよあいつ。


『では最後に、、これからよろしくお願いします!』


女ってほんとに怖いな。ついさっきまで後ろ足を引っ張るかのような暗い声しか出してなかった怖い夏清さんは、すっかりと透き通った優しい明るい声の素敵な夏清で、今日はじめて俺に頭を下げた。


「こちらこそ、、、」


顔をあげニッカリ笑う夏清。


頬笑む夏清も良いけどニッカリと歯を出して笑う夏清はもっと良かった。


ドキドキした。


『あれ?、、、抱きしめてくれないんですか?』


「は?」


『ドキドキしたでしょ?』


「したけど、改ま、、」


フサッ


何が起こっているのか俺には解らなかったが、


自然と、俺の両腕はいつのまにか密着していた夏清の体をつつんだ。


ドキドキした。


何がおこったか理解すればするほどドキドキは音を大きくたてて感じた。


夏清はしてやったりと言ったような顔をしていたが俺が力強く抱きしめると嬉しそうに目を閉じた。


初めて包んだ夏清の体は俺よりは小さく、すぐに折れてしまいそうなほど弱々しい。


さらしをまき、男子制服を着ていたあのナツキヨだとは思えないくらいに女の子らしいもので、抱きしめながら見る外灯に照らされた夏清の顔はまるで眠ってるかのような静かで綺麗なものだった。



まるで眠っているようなナツキヨ。


ん?


声かけても、とんとんしても、体揺らしても、名前読んでも、目を開けない。


つまり?


まるで眠、、、寝てますねこれは。


まるで眠っているような静かで綺麗な顔は、しっかり眠ってた静かで綺麗な顔だったと。


ハハハ、一本とられましたなこりゃ、、ハハ、


いやー寝つきが早いのは良いことですなぁハハ、ハハハ、、



スゥっ


どぉーーすりゃーいいんだぁー!!!!

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