ナツ君の春が来る
たしかナツキヨの高校はアマジョ、天使女子で、そこは学力偏差値は普通だが女子度偏差値は高いと噂の高校だ。
そこにあの中学校では男子生徒の制服を着てたナツキヨがね、、すごい進化だよな。
『風の便りで、、あくまでも風の便りでだけれど、、ナツはアマジョに気になる子いるんだって?』
始まった。そうか、あの娘はお前か、ナツキヨ。
おそらく母さんがまた俺のスマホのパスワード解除して中にあるあの娘の写真をお前に見せたのだろう。
俺は黙ってスマホを操作しその娘の写真をナツキヨに見せる。
ナツキヨの目が輝いた、久々に見た喜びに満ちた目だった。
可愛かった。
『なに?!その子に惚れているの?!惚れてるの?!かわいいよねその子』
お前それいってて自分で恥ずかしくないのか?
「電車でな、、よく、見かけてね、、まぁ可愛いなぁ程度だよ」
『その子知ってるよ!!仲良いから電話させてあげるよ!家にスマホを置いてきちゃったから取ってくる!』
だろうな、お前がこの娘を知らなかったら逆に怖い。
自転車にのってどこかへ向かうナツキヨ。
ヴー、ヴー、ヴー
マナーモードの着信音、スマホの画面にナツキヨの文字。
でもまだあいつが家に着くにはまだ早すぎる。
「もしもし、スマホ持、、」
『ワ!タ!!シ!!!でーす。』
何かいいことでもあったかのような元気な声で遮られた。
「まぁスマホの画面にナツキヨって出てたからな、お前からだってのは判るぞ。」
『いやー、まさかナツくんが私で欲情するとはねー!ナツくんも変わったなー、、七年たつと他人って変わるんだねー!!』
あぁ、これでようやく俺にも春が来る。