妹がずっとそばにいてくれたらよかったのに…
「おにいちゃぁん!」
そう言っていてくれた彼女はもう他の男を見ている。
彼女は僕を愛していたのだろうか、
単にお兄ちゃんだから、というだけだったのだろうか…
今思うとつらい、つらすぎる。
過去に遡ること14年。
彼女、もとい妹と僕は双子で生まれきた。
僕の方が早く生まれてきたからおにいちゃんと呼ばれてるというだけで、
実際そこまでの差はない。はず…なのに…
そんな1人の非情な妹に対する愛を見ていこう。
まだ彼氏がいないあの年のバレンタインの日、
僕は何個チョコをもらったのだろうか。
妹がものすごく嫉妬して2日間ぐらい口を聞いてもらえなかったなぁ。
あの2日間は大変だったなぁ。自分だって色々と構って欲しいところとかは
あったのだ。それだけではない、自分のいろいろとした心情をぶつけられる
たった一人の妹なのだから、妹に口を聞いてもらえないというのは辛いものだ。
その頃といえば、自分の先輩の生徒会の会長選のことで、結構ゴタゴタがあったりもして大変だったような気がする。
そして、月日の流れること数ヶ月。同じクラスであった二人には、研修という難関が待ち受けていた。
「研修のキャンプファイヤーの時の合唱で、リーダーをする人―?」
僕は、すかさず手を挙げた。僕はもとより、音楽系のイベントが好きであった。
妹は……わからないが。ともかく、僕がリーダーとなってクラスをまとめて
三部合唱を展開したのだが、リーダーになった他の女子と話をしていた時
(むしろ話をさせられていた時)の妹の目は、本当に厳しいものであったなぁ。
そんな練習の日々などは、とっくに過ぎていき、本番の日。
練習の甲斐あったのか、それともなかったのか、どうにか合唱という形にすることはできた。最も、自分の合唱の伴奏がミスをしてしまっていたのは、
気づかれたようだが。そのあと、妹は、僕のことをすごく褒めていたようだ。
自分にとっては一番楽しかった頃だろう。
もう1つのエピソードもある。
「ねぇ、お兄ちゃん、書こう!」
怒られてしまった。そう、球技大会が間近に迫った週の放課後、
僕と妹(とその他委員)は、掲示用の紙の作成をしていた。
僕の担当と妹の担当は違ったが、僕が体育副委員長ということと、グループ内で来る人があまりにも少なすぎて、
結果的に一緒になった。
そんな日々、二人きりで活動することも多かったので、ハグをすることもあった。
あの頃はよくハグをしたものだ。そういえば。
妹が僕の手元から離れていく感覚があってずっと一緒にいたいと思っていた。
何時も一緒にいよう、そのための努力もやろうと考えていた…
そんなずっと一緒だった妹に遂に彼氏ができたらしい。
今まではよく構ってくれていた妹が、だ。
あぁぁ、そりゃ妹も将来的には俺から離れるしなぁ、
自分も自立しなきゃなぁ…
自分から妹も離れていくし、自分も自立しなければいけないことはわかっている。
そうは言っても、あの可愛い妹以上の女性はいないのである。
そんなもどかしさを抱く、今日この頃。
本当、僕の妹は帰ってきてくれるのだろうか…
そんな時、妹視点で描いていたメモを発見した。
俺は、それを見て、色々な感情が吹き出してきた。
自分にとっては本当に楽しかった妹とのおもひでの1つのメモである。
もちろん、自分自身がしたことだし、
今考えると非常に恥ずかしいものだし、
僕のことが美化されすぎというか、
なんというか、ものすごく表現しにくいものだった。
そんな日常を過ごして思うこと、と聞かれれば、
やっぱ妹って可愛いなぁと思うものなのだなぁ、ということぐらいだろうか。
しかし、そんな妹ももうボクの手元にはいない。
いつの日か、妹が幸せになるように…
妹がいなくなってからというもの、
僕の生活は一変した。
あまり妹に構ってもらえない僕。
妹さえいればいい、そう思って生きてきた以上
あまりそういったことを話せる友人もいない。
そんな中、ぼっちで過ごしている。
ぼっちなんて、いやだけど…
妹とだけ一緒に居たい…
ずっと、妹が側にいてくれればいいのに…
Fin? Not......