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蟲の王に、俺はなる!  作者: グリー
5/6

初進化


ステータスがよくわからないという指摘を受けたので、説明をしたいと思います。


race …レイス。種族の事。

str…ストレングス。筋力の事。

vit…バイタリティ。耐久力の事。

agi…アジリティ。俊敏性の事。

int…インテリジェンス。知力の事。

それぞれのステータスの役割についてはいずれ

本文で説明します。


まだ初心者ですが、

感想などを頂けたらとても嬉しいので、

皆様の感想、お待ちしています!

…目が覚めると、外は朝になっていた。

気休め程度に作った苔石フィルターは、ちゃんとその役割を全うしてくれたようだ。


外に出ようとして、俺は重要なことに気づいた。

そう、俺の体には足が生えていたのだ!

壁を壊すときも、魔幼虫だった頃は全力で転がしていた岩が、まるでそっと押すようにして

どかすことができた。

どうやら、魔蟲の進化とは俺の想像以上に恐ろしいものらしい。


そうこうして、俺はようやく外に出ることができた。

俺の新たな体を、ようやくこの目で確認できる。

俺は急かす気持ちを抑えて、近くの川に体を写してみると、そこには見慣れない黒い昆虫がいた。



進化した俺の体を一言で言い表すならば。




…めっちゃ、強そうです。



まず、体がすげぇ大きくなっている。

あの進化個体と同じくらい大きいんじゃないだろうか。

だがこの進化でなによりも重要なのは、

足が生えた事と体全身を外骨格が覆っているところである。

特に頭には先端の尖った、

太いツノが生えていてとてもカッコいい。

これによって昨日まで、完全なる幼虫!

って感じだった俺がすごく立派な昆虫とかしている。

俺としては、あの幼虫ボディはなんとしても認められなかったから、今回の進化で1番嬉しいのはここなのかもしれない。

これで全身甲殻に覆われた芋虫とかだったら発狂していたかもしれないな。


さらに、皆さんお待ちかねのステータスオープンだ!

相当能力も強化されてるようだし、否が応でも期待が高まる。


ステータス、オープン!


《ステータス》

nameなし

race 甲殻虫

LV 1

HP 168

MP 31

str 93

agi 62

vit 128

int 32

スキル

〈成虫LV1〉〈生命力LV8〉〈近接戦闘LV4〉

〈ガードLV5〉〈甲殻LV1〉〈飛翔LV1〉

〈疲労無効LV—〉

ユニークスキル

〈強者LV3〉

称号

〈異界の魂を持つもの〉



とてつもなく強くなっていた。


各ステータスはほぼ2倍ほどになっていて、

vitなんて3桁の大台を突破してやがる!

こんな、おばけステータスを持っていたら、

夜にカブトムシの幼虫(仮)狩りができるかもしれない。


だが、スキル欄はさらにツッコミどころ満載だった。

なにより目がいってしまうのはやはり

〈飛翔〉だろう。このスキルは、文字通り空をとべるようになるらしい。

これを見たときの俺の気持ちをわかってもらえるだろうか。

あの大空を自分だけの力で、自由に飛ぶことができるのだ。

おそらく俺は、この世界に来て初めて自分が蟲であることを感謝しただろう。

それほどまでに、このスキルは嬉しい。


〈甲殻〉はその名の通り甲殻だ。

vitが上がり、傷ついた甲殻が徐々に治っていくなどの効果がある。これも嬉しいし、

進化するにあたってどんどん強くなっていくらしい。


そしてある意味謎なのが〈疲労無効〉だ。

どうやらこのスキルは疲労が無くなるわけではなく、疲労を感じなくなるだけらしい。

虫らしいといえば虫らしいスキルだが、

自分が無理をしていることに気づかず自滅してしまう可能性をあるわけか。

だが、俺は強くならなければいけない。

そのためには、

多少の無茶ができるようになるこのスキルは当たりの部類かもしれないな。


この進化によって俺も希望が見えて来た。

あの天使(悪魔)の言葉を信じるなら、

俺はまだまだ進化できる。強くなれる。

そうやって進化を重ねていけばいつかはあの巨大な蟲だって倒せるかもしれない。


ならば、俺はこれくらいの進化で満足なんてできない。

ステータスもスキルもまだ全然足りない。

もっと、もっとレベルアップして進化して

強くなってやる。


そのための第一歩はもう決まっている。

上手くすれば大量の経験値が手に入るかもしれない。


進化してからおよそ30分、ようやく俺は

目的のために動き出した。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



現在、太陽が完全に沈んでおり

あたりは完全に真っ暗になっている。


俺は、かつての自宅跡に来ていた。


しばらく警戒していたが、あの巨大な蟲が現れる気配はない。

眼下にはあのカブトムシの幼虫(仮)が、

昼間とは打って変わってとてもアグレッシブに行動している。


ここで大体の人は気づいたと思うが、

今日の目的はこいつらを狩り尽くして、大幅なレベルアップをする事と、この新たな体に慣れることである。


今まで俺は一対一でしか敵と戦ったことがないので不安だが、この体なら安全に敵を狩れるだろう。

俺は、今からこいつらを狩り尽くす。


それはあの巨大な蟲とやっていることが同じかもしれない。

だが、俺は強くなる。何としてでも。

そのためなら、俺はなんだってやってやろうじゃないか。


俺は手始めにカブトムシの幼虫(仮)に近づいてみる。

夜になったときのこいつらはとても好戦的なようで、途端に攻撃を仕掛けてくる。

俺はとっさに〈ガード〉したが、頑丈な甲殻に阻まれて少ししか衝撃がこない。


だが、俺はそれどころではなかった。

何故なら、


これ、どうやって攻撃すればいいんだ?



それが全くわからなかったからである。

敵が小さすぎて口が届かないし、

新たに生えたツノは上を向いていて自分より小さな敵を倒すには向いていない。


しばらく四苦八苦していると、唐突に閃いてしまった。

俺の脚は甲殻に覆われていて、先端が尖った形になっている。

今までは木の幹にぶっ刺して登るためにしか使ってこなかったが、これなら敵を刺し殺せるんじゃないかな?


試しに敵を踏みつけると、なんの抵抗もなく相手を貫通してしまった。

もちろん腹を少し貫いただけなので相手はまだ死んでいないが、もう二回ストンピングしたら、完全に動かなくなってしまう。


うん、脚ならこの位置の敵も攻撃できる。

このステータスならたった2、3発で殺しきれるようだ。


大体の感覚をつかんだ俺は、周囲の虫たちを攻撃していく。

どんどん向こうから敵がやってくるので、

昼間とは効率がまるで違う。



だが、俺が敵を狩り始めて、2時間ほどしたときだろうか。

カブトムシの幼虫(仮)が進化したと思われる虫が突如現れてこちら側に攻撃を仕掛けて来たのだ。


幸いにも敵のサイズは俺と同じ、

まだ一度しか進化していない個体のようだ。


まだ進化したばかりの現状、

明らかに強敵とわかるような敵との戦闘は

御免である。

だいぶ敵も倒したし、そろそろ潮時だろう。


だが、進化個体がどこまで戦えるのかも気になるところである。

もう少しレベルアップすれば戦ってみても

いいかもな。


そんなことを考えて。

俺は背後に虫たちの視線を受けながら川原へ飛んで行ったのだった。


本日のステータス


《ステータス》

nameなし

race 甲殻虫

LV 6

HP 186

MP 33

str 102

agi 69

vit 135

int 32

スキル

〈成虫LV6〉〈生命力LV Max(進化可能)〉

〈近接戦闘LV6〉

〈ガードLV8〉〈甲殻LV3〉〈飛翔LV1〉

〈疲労無効LV—〉

ユニークスキル

〈強者LV3〉

称号

〈異界の魂を持つもの〉


明日も頑張ります、まる




新しいスキルについて。


〈成虫〉

このスキルは所有者のレベルに依存する。

スキルレベルに応じてステータスに補正。


〈甲殻〉

スキルレベルに応じてvitに補正。

スキルレベルに応じて甲殻が硬くなる。


〈飛翔〉

飛べるようになる。

航空継続距離と速度はスキルレベルに依存する。


〈強者LV3〉

ユニークスキル。

全ステータスに大幅な補正。

全スキルの効果に大幅な補正。


最後についてはまだ主人公は気づいてないですね…。


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