プロローグ
幼い頃から苛まれている物を形にしようと筆をとりました。小説の中では完結するようにほとんどはフィクションです。共感性や面白みには欠けてしまうかもしれません。拙い文章で読みにくい部分もあるかと思いますが、病の記録にお付き合いいただければ幸いです。
午前7時25分。3両目端から3…いや、今日は4番目か。でも大体あの位置に立つ事は知っていた。明るめの茶髪に大きな瞳、薄い化粧。派手ではないが華やかさのある優しい横顔を今日も目で追っていた。俺はというと、万が一でも彼女に顔を覚えられてしまわないように毎回位置を変えつつ少し離れた所から見守るのが日課だった。
初めて彼女を見たのは半年前。駅前のカフェ窓際で友達と思しき女性と楽しそうに話していた声が別れた元カノと似ていた為振り返ってしまい、そのせいか妙に印象に残ってしまった。その一週間ほど後、いつもより一本早い電車に乗った時に彼女を見つけた。なんとなくだった。なんとなく目で追ってしまううちに俺は毎朝1本早い電車に乗って通勤している。いつも彼女が立つ場所が他の人に取られてしまわないか心配だった。
会話をするわけでもなく目が合うわけでもない。ただなんとなく彼女を見ることが毎日の楽しみになっていた。帰りの電車ではなかなか見かけることがない。お互い定時なんてあってないようなもので、帰る時間は定まっていないのだろう。
彼女は4駅で降りてしまう。その短い時間が俺の今の幸せだった。俺に気づきもしない彼女を横目で見送り、退屈な今日を思ってため息をつくところから俺の一日は始まる。
ああ、早く明日の朝になればいい。そんなことを思いながら俺もそこから2つ先の駅で下りた。




