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ランキング外部活活動  作者: ローカロン=ブッセ
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ボクらの日常

ビルがいくつも重なったかのような大きな校舎。

高い門の先には広い敷地が広がっている。


この学校は「紅泉中高一貫校」公立のフリースクール。

不登校児から優等生に、俗に言う不良まで…

たくさんの生徒が在籍している。


勉強面では、大抵は平均点を取っていれば自由当然だが、赤点を取った生徒は補習と課題が出され、

出される課題は、補習を受けない通常の生徒の二倍あるので皆勉強するから赤点はめったにいないらしい。


そんな学校には…廃校舎がある。


その二階コンピューター室の隣にあるのは現在使われていない相談室。


「誰もいない…一番乗りだぁ!」

「他の奴らはダメダメだな。全く」

偽手(ぎしゅ)は口が悪いな」


ボクの名前は『ローカロン=ブッセ』

ランキング外部活活動の次期部長の中等部2年生の女子。

金髪のツインテール。

名前が長いので部員たちはボクのことを『ロー』と呼んでる。

左手に灰色の猫のバンドパペット『偽手(ぎしゅ)』を動かす。


「ロー!おはよ!」

「あっ、ガルムさん!おはようございます!」

「部長のくせに遅いぞ」


この人は部長の『ガルム』さん!

中等部の3年生の男子。

楓のような赤色の髪で身長が187cmもある。

いつもニコニコと笑顔で優しいが、

怒ると怖いと有名だけどボクらはまだ見たことは無い。


時刻は10:15。

そろそろ他のメンバーが集まる頃だ。


「2人して早くね?おはよー」


『エル』は副部長で中等部の3年生の男子で、

運動も勉強もできる言わば優等生。

責任感のあって堂々としてて男女から好かれている。


「朝から元気だね…」

「おはよ」


この二人は『とや』と『ヒロ』

二人もガルムとエルと同じく中等部の3年生の男子。


とやはウサギが好きで家事をこなす主婦夫では無く、

お菓子作りが好きな普通の健全な男子。

可愛い物に目が無いからよく女子扱いされている。


ヒロは身長が高くて羨ましい限りにスタイルが良い。

黒い髪に黒い眼鏡に黒い服…

そして白い肌…

不審者にしか見えないが根は優しい。


「眠い!!」

「今なら寝れる…。」


この二人は『もご』と『ナユタ』

ボクと同じく中等部の2年生の女子。


もごは青い髪で毛先は水色のマッシュルームヘアが特徴。

僕は『もごたん』って呼んでるけど、みんなは『もご』って呼んでる。

アニメに詳しくて夜更かし常習犯。


ナユタさんはゲーム好きで部員たちとゲーム対戦しては勝ち誇っている。

本人曰くゲームは発売日から2日前後でクリアしているし、

ある程度のカセットは持っているためやった事のないゲームの方が少ないらしい。


「おはよう!!俺のロー!!ローinマイエンジェル!!」

「俺のって、幸のじゃないからね…。」


(ゆき)』と『マリー』

幸は僕と同じ中等部の2年生の女子でショートカットが良く似合う姉御肌。

暇さえあればバレーやバスケをしている。

スポーツと可愛いものが大好きで髪を結うのも得意。


マリーは中等部の3年生の女子。

頭脳明晰なマリーはいつも優しいお姉さん。

前髪と後ろ髪を一緒にポニーテールにしてる。

本人が気にしてるのは背が小さいことでいつもからかわれているが、力持ちで怒らせたら手に付けられない。


「珍しくみんな集まったな」


偽手を動かす。


「猫さんは口が悪いな」


マリーが偽手にデコピンをする。


「いだぁぁい…!!俺様は偽手様だぞ!!敬え!」

「偽手を敬ってもなぁ…」

「おいロー。どーゆーことだ??」

「にゃー」

「誤魔化すな」


偽手と話しているとみんなが笑ってくれる。


「まあまあ、久しぶりにみんな集まったな」


ガルムさんはそう言いながらボクの頭にぽんっと手を置く。


このメンバーで生徒のランキングを付ける。

ランキングを付ける側はランキングには乗っていない…ランキング外だ。

基本は強制参加で親しみを込めて「ランキング外部活活動」と名付けた。

長い名前なので略して「ラン外」だ。


部活動と言う名目で集まる事で他の生徒に見られても何も不信感は無い。


ラン外の部員は気軽に話せて、

仲の良い人たちだからとても信頼できてとても安心できる。


「明日ランキング付けるからな」

「「「は…いっ!?」」」


急に聞かされ驚く部員。

ガルムさんが呆れてハァと深いため息を着くとみんなを見た。


「毎月恒例なんだからさ…今すぐ授業を受けて周りの人たちの名前と以前との様子を確認してきなさい…」

「はーい…」


という訳で…授業を受けなくてはいけなくなり、

仕方ないから技術の授業を受けることにした。


技術の授業は人気がないからほぼ自由だ。

大抵居るのは課題を終わらせたい人とか少数の人数で、

様子を詳しく見ることができる。

周りを観察するのにはとても都合のいい場所だ。


ボクがこの授業を受けたのはいいのだが他の生徒は見当たらない。

今日は先生と僕の二人しかいないので先生と雑談でもして時間を潰そう…。


「ブッセの技術の課題はもう終わってるから他の授業を受けたらいいだろ」


この政杉(まさすぎ)先生はランキング等のサポートをしてくれる先生。

言わば顧問だ。


「今から行っても不良の生徒にカツアゲされて野良猫になっちゃうぞ!」

「ボクも力無いからにゃー」

「お前…男子よりも力あるだろ…」


政杉先生が目を細めながらボクを見る。


「力なんて無いですからね!!

 この前の体力テストの握力なんて右12で左13ですよ!!?」


あれ本気でやったのに…と付け足すと、

そ、そう言う事じゃない…と動揺がまるわかりで言われた。


「他の授業の課題も終わってますし、逆にボクが行ったら目立っちゃいますよ?」

「そーだぞ。俺様はスーパースターだからな目立っちまう」


「今日を狙ってただろう?仕方ないが、私は授業の様子と校内の様子。もちろん我々、教師の目線でしか見た事しか話せないぞ」


ため息混じりにそう言って授業に出ていた生徒の名前をパソコン越しに見せる。


個人情報保護とは言えど、いじめを無くす為の対策だ。

フリースクールに入ってからいじめられて学校に来なくなる生徒も少なくない。

逃げてきた場所に居場所を作らないと「ボクら」はまた逃げるしかないのだ。

だからこそ先生と協力してランキングを作る。


「〜と、こんな感じだが大丈夫か?」


授業終了のチャイムと同時に先生は声をかける。


「助かりました。ありがとうございます」


ランキングを知らせるのは学校での連絡手段となるスマホアプリ。

このアプリを作ったのもこの政杉先生だ。

編入した人には学生証となるこのアプリのダウンロードしてもらうためほぼ漏れもない。


「あと今月は編入生が20人いるからその人たちも頼んだ」


かしこまりましたとお辞儀をして廊下を出る。


課題は全て終わっているし、これと言って人を見れる余裕のある授業も無い。

ガルムさんは授業を受けて来なさいと言っていたが…

授業だけではわからない事もある。

この学校は授業を受けなくても学校に来ること自体に意味があるらしく自由に使える教室がある。

そちらを見て行こう。

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