第16話 超鋭角とfコーディック
第16話 超鋭角とfコーディック
三角形が存在し、4点目の頂点をその三角形に投入するとき、4点目の頂点がその三角形の内側に投入されるか外側に投入されるかで、全く性質の異なる形状が形成される。外側に投入されるとき、4点目はその形状の外周を構成する頂点の一部となる。この形状は必ず凸図形である。内側に投入されるとき、外周は最初から存在した三角形の3頂点となり、その外周の3頂点から4点目に線を描くと3つの領域ができる。
5点目を投入するときも、4点目と同じで外周の内側か外側かが問題となる。外側のとき、5点目も外周を構成する頂点の一部となる。これは、何点目の投入でも同じである。
形状を情報媒体として活用するとき、外周の頂点と内部の頂点によってどのような領域を形成するのかで情報容量が決定されていく。
例えば、外周を構成する頂点による多角形を三斜法によって、複数の三角形に分割することが可能である。但し、複数の三角形は一意に決定されず、多数の組み合わせ数を持つ。例えば、分割する三角形全ての面積を均一に近づけたいとすれば、最小二乗法を用いて一意に決定することができる。このように分割する三角形の性質を決定すると分割される三角形は一意に決定されることになる。これが意味するところは、同一の多角形を三斜法によって分割するとき、複数の情報形態を持つことが出来るということであり、これをfコーディックと呼ぶ。
内側に存在する頂点は、分割された領域(三角形)のいずれかに属することになる。これを1次情報と呼ぶ。属した点を領域の3頂点と結ぶと3つの領域ができる。内側に存在する頂点(属した点を除く)はこの3領域に属する可能性があり、属したときこれを2次情報と呼ぶ。頂点数が増えるに従い次数も上がっていく可能性を持っている。
fコーディックは三斜法に捉われる必要は無いため、形状による情報量は現在計算不能である。
さて、エバネッセント場やフォトニック結晶、超短パルスは急激な変化や微視的な世界を扱う分野である。これらに共通することは、角度に敏感だということである。特に、超短パルスはOFFとONのときの値の差を時間で割ると超鋭角となる。超短パルスは虚数値を含むため、局所的に時間が巻き戻っている可能性を否定できない。もちろん、総体としては先に進むことになる。
この超鋭角を上述のfコーディックに当て嵌めてみると、2つの領域の境界線付近の内側の点も境界線の両端から結ばれた線と鋭角になる。つまり、なんらかの理由(上記では時間の巻き戻しを考えた)で僅かに角度がずれただけで、属する領域が異なることになる。つまり、その点の情報が書き換えられることになる。
結論として、超鋭角あるいは角度に敏感な振る舞いは、それだけでデータを書き換える可能性があるということである。
これらのことから、桃九はサブユニットがfコーディックと脈(波動)の合成、干渉(脈流)により構成されていると考えるようになっていった。fコーディックが固定されたとしても、脈流は他の脈流の影響により絶えず変化しているため、データを書き換える可能性を持っているのである。また、脈は複素数以上の次元数を持っていると考えている。