第7話 ランタノイド
第7話 ランタノイド
ランタノイドとは元素の第3族(希土類)に属する元素ブロックで元素番号57~71番が含まれる。通常、原子核内の陽子が1つ増えれば、元素番号が1つ増え、同時に属する元素の族番号も1つ増える。しかし、ランタノイド元素ブロックに含まれる元素は、元素番号は1つ増えるものの族番号は同じ第3族となる(筆者はそこがよくわからない)。また、2つの共通する性質を持つ。
1つは、ランタノイド収縮であり、これは原子半径の性質である。一般的な元素の原子半径は族番号が大きくなるにつれ減少し、同族の場合原子番号が大きいほど原子半径は増加する。ランタノイド収縮が特異なのは、周囲の元素番号の原子半径に影響を与えることである。つまり、ランタノイド元素ブロックは原子半径において特異部分となるのである。
(冗長的であるが、シュレーディンガー方程式と波動関数というものがあるらしい。これらは原子核の正電荷が電子に影響を与え、かつ多電子原子において電子は他の電子の影響も受けると主張しているようである。恥ずかしながら筆者は初めて知ったことで、これに興味を持ってしまった。しかし、これをこの物語に取り入れるということは、次の話をいつ投稿できるのかわからないということを意味するため、密かに興味を満足させようと思っている)
以下の文章内容は怪しく、この物語のために仕方なく記すものである。というのはどうしても電子殻が理解できず、この辺でいいだろうと学びを止めたためである。原子核を中心として電子の軌道は複数存在する。軌道半径の小さいもの(正確にはエネルギー準位の低い方)からklmno…殻(軌道)と呼び、k殻を第1軌道として軌道番号が決められる。そして、各殻によって収容できる電子のMAX数が決められている。k殻(第1軌道)から2個、8個、18個、32個、50個...がMAXとなる。通常、多電子原子では、軌道番号の小さい順から電子は埋められていくはずである。ところが、元素番号19(カリウム)からこのルールは破られていく。つまり、これは電子殻のルールの齟齬か筆者の理解不足のどちらかである(筆者の理解不足が原因と思われる)。どういうことかというと、カリウムの場合、第1軌道2個、第2軌道8個、第3軌道8個を埋めた後、第3軌道に空きがあるにもかかわらず第4軌道に1個の電子を持つのである。そして、元素番号21(スカンジウム)では第4軌道に電子を持ちながら、第3軌道を埋め始めるのである。
元素番号19(カリウム)と20(カルシウム)は、第4軌道に電子を1個と2個持つ。そして、元素番号21(スカンジウム)から第4軌道に電子を2個持ちながら第3軌道を埋め始める。これは、元素番号29(銅)が第3軌道を埋め尽くすまで続くが、第4軌道に電子を1個持つものもあり、規則性があるともないともいえる。そして、元素番号36(クリプトン)まで第4軌道に規則性を持ちながら電子を埋めていく。そしてまた元素番号37(ルビジウム)から第4軌道を埋めずに第5軌道に電子を持つ。このように電子殻の規則は破れており、理解不能となっている。
さて、各軌道は小軌道を持つ。spdfgの5つの軌道である。s軌道は2個、p軌道は6個、d軌道は10個、f軌道は14個、g軌道は18個の電子をMAXとして収納できる。ランタノイド元素は第5軌道と第6軌道に電子を持ったり持たなかったりして第4軌道のf軌道を埋めていき、原子価3価で安定(2価か4価で準安定する場合もある)する。これは不規則(理解不能)性と同じように見えるが、第4軌道~第6軌道の通り道は重なっていて、原子核から遠い軌道は曖昧なのかもしれない。ここで第6軌道のs軌道は『貫入』により第4軌道のf軌道と通り道が重なるようである。ここで嬉しいのは『貫入』という単語である。以前どこかの話で「頂点(今回は電子)内側に入り込むほど複雑性は増す」と述べたと思う。つまり、この『貫入』は何かを示唆しているように思えるのである。理解不能に伴って喜びも貰ったような気分である。