第13話 放射線の実態
第13話 放射線の実態
放射線の定義は、調べればわかることだったが、それが人体にどのような影響を及ぼすのかは、致死量としての放射線量が分かるだけで、他の詳細はよくわからなかった。調べる過程で見つけたのは“電離放射線”という語句であった。この意味合いを読んでみると筆者はなるほど、そういう理由で人体に影響を与えるのかと納得した次第である。しかしながら、どのくらいの量の放射線を人体のどの部位に与えると甚大な悪影響を及ぼすのかは不明である。ここでは、“電離放射線”の説明と筆者なりの解釈をしてみたい。
放射線は電離放射線と非電離放射線に分けられる。電離放射線は高いエネルギーを持つ放射線であり、例えば次の種類のものがある。また、電離放射線も2つに分けられる。
・α線...直接電離放射線。ヘリウム(He)の原子核であり+2の電荷を持つ。
・β線...直接電離放射線。電子または陽電子である。
・中性子線...間接電離放射線。中性子である。
・X線...間接電離放射線。電磁波の1種であるが、物質そのものではないようである。
放射性物質は、自然界においても存在し放射線を放出している。例えば炭素14(炭素同位体)も放射性物質であるが、非電離放射線であるため人体に悪影響を及ぼさないとされている。電離放射線は電荷的に中性な分子をイオン化させる。と、ここまでが電離放射線の説明となる。
以下は筆者の解釈になるので、この文章によって読者の方が被害を被っても責任は負えない。
人体を構成する物質は、たんぱく質などの高分子化合物である。高分子化合物に限らずほとんどの分子は電子の作用によって結合されている(もっとも多いのは共有結合である)。たんぱく質を生成する過程でできる物質や人体内部には、多くのイオン化物質が存在している。また、電荷的に安定(中性)している物質も多い。そこへ電離放射線を与えると、別な分子に結合するはずだったイオン化分子が電離放射線に結合したり、中性な物質がイオン化したりして予期せぬ物質と結合してしまう。そうなるとたんぱく質だった物質がたんぱく質ではなくなり、脂肪であっても同じことが言える。この現象が多く見られる細胞は異常な細胞となり免疫機能によって排除される。
ところが、浴びた放射線(被ばく)が多いと異常な細胞も多くなり免疫機能だけでは対処できなくなりなんらかの疾病を引き起こす。
被ばく量がどのくらい多いと疾病を引き起こすのかは、その人の身体の強さ(足が速いとか重いものを持ち上げられるという意味ではない)や運の強さも影響するので定かなことはいえない。
被ばくの対処は、異常な物質を探し出す医療機器の開発と免疫力を上げる方法が考えられる。
また、幼いほど放射線の影響を受けやすい理由は、極端な例であるが受精卵が被ばくしたときを想定してみるとわかりやすいかもしれない。受精卵は細胞が少なく、成長の初期である。被ばくした細胞がそれと知らず細胞分裂を繰り返すと被ばくした細胞が増えることと同じことになり被ばく量が増えたことと同じ結果となる。成長過程の子供は尚更異常な物質を探し出すことが必要かもしれない。