第8話 たんぱく質の一次構造
第8話 たんぱく質の一次構造
たんぱく質は、一次構造から四次構造までの階層構造を持つ。現在の科学では、一次構造については全体像を見るにとどまり、二、三、四次構造についてはほとんどのことが解明されていない。筆者もたんぱく質について知りたく、ネット上で調べたが満足できる回答は得られなかった。今日、我々人類がたんぱく質と呼ぶ物質は、一次構造から四次構造までを経た結果として生成されたものである。くどいようであるが、たんぱく質が生成される過程は解明されていない。
さて、筆者の当面の興味は一次構造にある。一次構造は、アミノ酸が一次元に繋がった鎖状の構造を持つ。と、これが一次構造の説明の全てといってよいが、筆者はこの一次構造をより深く解明しなければ、二、三、四次構造について知ることはできないと思っている。
前話までと重複することを述べるが、たんぱく質の一次構造はアミノ酸の組み合わせ量が膨大な量の中から選択的に作られる。選択するのは、DNAに書いてあるコードで人類はまだ選択することはできない。現在知られているアミノ酸数が最小のたんぱく質は、インシュリンでアミノ酸51個から構成されている。ここでアミノ酸51個の組み合わせ量を計算してみると20の51乗となる。その膨大な組み合わせ量の中からインシュリンが選択されていることになる。ウイルスたんぱく質は億単位の分子量を持つものがあり、アミノ酸の平均分子量を120とすると1億÷120≒83万個のアミノ酸で構成されていることになる。つまり、自然界(ウイルスなので人のDNAではない)は、20の83万乗の組み合わせ量の中から1つのウイルスたんぱく質を選択したことになる。
前話でも述べたが、この物語の中で膨大な組み合わせ量の中からたんぱく質として機能する1つの組み合わせを選択することが、筆者の望みである。これに第6話のアルゴリズムを用いたいと考えている(膨大な組み合わせ量は対数レベルの数量に減るはずだと思っている)が、アミノ酸の膨大な組み合わせ量を分解する条件が皆目見当もつかない状態である。従って、アミノ酸について少し触れてみたい。
アミノ酸は高分子化合物である。しかしながらその分子構造の全てを学ぶことはできないのでアミノ酸を特徴づけている分子構造に着目したいと思っている。アミノ酸はアミノ基とカルボキシル基を持っている。例えていうなら人の2本の腕がこの2つの基(右手がアミノ基で左手がカルボキシル基とする)で、隣の人の左手と自分の右手を繋ぐことにする。すると手を繋いだ人が連々と続くことになる。これがアミノ酸を繋げていく方法で実に単純である。
20種類のアミノ酸を区別するのは側鎖になる。アミノ基とカルボキシル基は全てのアミノ酸が持っているので区分けには使えないことになる。側鎖は3本以上の手のようなもので他の原子や分子と結合したり、他のアミノ酸と結合(多重に結合することになる)したりしてたんぱく質となるためにアミノ酸自身を修飾していくことになる。
また、側鎖によって親水性、疎水性、塩基性、酸性などの性質がアミノ酸に与えられる。また、分類方法がいくつかあって、20種類のアミノ酸はいくつかのグループに分けられるようである。
と、手がかりを得たような、さっぱりわからないような気分であるが、いずれにしてもアイディアが浮かんでも試す方法がないのでどうしようもできない。