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脈流  作者: 智路
2 現在までの歴史
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第6話 元寇

第6話 元寇

 鎌倉幕府を築いた源頼朝であったが、その死後、頼朝の嫡流は断絶し、北条義時の嫡流が鎌倉幕府の支配者となった。時は、北条時宗が執権のころ、モンゴル帝国(元)から2度にわたって侵攻を受けかけた。世に言う文永の役 (1274年)と弘安の役(1281年)である。

 モンゴル帝国は超人類の一人であるチンギス・ハンが築いた帝国でその版図は、西は東ヨーロッパ、トルコ、シリア、南はアフガニスタン、チベット、ミャンマー、東は中国、朝鮮半島までに及ぶことになる。チンギス・ハンは超人類の中でも総合能力が3本指に入り、特にカリスマ性に富んでいた。チロにもカリスマ性の説明は難しく、実体のない能力であるが、統率力に優れ、能力レベルの低い者ならば容易に配下とすることができた。チンギス・ハンが戦闘や外交を受け持ち、内政は耶律楚材という体制で帝国は運営されていて、超人類である耶律楚材の能力は、全体把握能力と他の人の潜在能力を見抜くものであった。つまり、どんなに複雑で巨大な帝国でも単純化して考えることができ、適材適所に人を配することができたのである。チンギス・ハンに従う他の超人類は四駿四狗と呼ばれたムカリ、ボオルチュ、チラウン、ボロクル、ジェベ、ジェルメ、スブタイ、クビライの8人であったが、彼らの能力は戦闘や兵站にのみあった。

 チロは大陸の不穏な動きを察し、日蓮を金王朝に密偵として派遣している。中国の地勢などに詳しい空海や最澄を派遣すればいいようなものだが、中国に在する超人類に空海や最澄を覚えている者がいては些か拙いとの配慮であった。日蓮は帰国後、北条時宗に面会し断固としてモンゴル帝国に屈してはいけないと進言することになる。日蓮の念能力は空海ほどではなかったが、弁がたち説得能力に優れていた。もっとも孔明に比べると説得能力も格段に落ちるのだが。

 はたしてモンゴル帝国から降伏勧告の書状が時宗のもとに届くことになるが、書状を持ってきた使者を斬り捨て決戦の覚悟を示した。このようにして文永の役はおこるが、モンゴル帝国の軍船は全て嵐にのまれることになる。これはチロの仕業であったが、孔明を「人類に過ぎたる加担はまかりならん」と叱責したことに反するようである。しかし、チロは先を見通していた。というのは、チンギス・ハンとその配下だけでは近いうちに他の超人類たちの反発を受け破綻するだろうという推測があったのである。つまり、過ぎたることをしでかしたのは、チンギス・ハンであり、チロは非難されるようなことはしていないという言い分であった。見ようによってはチロの勝手が過ぎるようでもあるが、強き者の言い分はまかり通るものらしい。

 確かにチロの推測通りに、各地の超人類たちは連合しチンギス・ハンに版図を縮小して草原に戻れと勧告することになる。連合の代表がモーセであったことからチンギス・ハンは、手を引くしかなかった。モーセも3本の指に数えられる超人類で、世界中の宗教の6割近くに影響を及ぼしていた。

 しかし、チロはやり過ぎたのかもしれなく、チンギス・ハンやモーセに日本の存在を強く印象づけることとなった。これを契機に世界各国は、日本に使者や密偵を送り込むようになる。


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