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脈流  作者: 智路
1 プロローグ
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第15話 創発

第15話 創発

 ※(【創発】の意味をWIKIで調べてみると、「部分の性質の単純な総和にとどまらない性質が、全体として現れることである」と説明されている。尚、当然のことであるが、この物語で述べることは科学的な根拠は全くなく、ただ筆者の一人よがりの自分の拠り所となる主張ばかりである。主張といっても、誰かと言を闘わせるつもりは全く無く、誰かに認められたいとするものでもない。従って、勝手な主張をこの物語に載せても問題はなく、仮に筆者の主張を信じて何か災害が起きたとしても、一切の責任はとらないつもりである。

 さて、筆者が創発を考えるとき、ここに赤・白・青・黄のボールが1個ずつあったとする。部分とは赤・白・青・黄のボールが1個ずつである。部分の総和とは足し算であるから4個となる。つまり全体は4個のはずである。ところが、ボールの組み合わせを数えてみると4個を超えることになる。この部分の演算の仕方が「単純な総和にとどまらない」という考え方もできる。

 また、ここに数本の綺麗に製材した材木があったとする。わたしたちは、これから「何か建物ができるだろう」と連想できるが、材木から建物ができることを知らない人には連想できない。つまり、部分とは材木で全体は建物である。

 と、いくらでも創発現象を説明できるようだが、何が真実なのかは知る由も無い。筆者の興味は2つある。1つは、加減乗除という演算、あるいは関数という手法の演算ではなく、組み合わせ数が全体にどのような影響を与えるかということである。数学のプレミアム問題(数学の未解決問題の代表のようなもの)にNP問題というものが存在するが、この問題が筆者の興味に近いと思われる。前話のアミノ酸からたんぱく質を合成する膨大な組み合わせ数もこれに近しく、これに筆者はわくわくするのである。もう1つは、細胞分裂のように最初に全体とする1個があって、倍々と個数が増していったとき何が起きるかということであるが、前述のように無責任極まりなくこの物語の中で解明していきたいものである。)※

 チロは神の世界からこの世界に投入された桃の精であるが、チロは2回分裂している。ここで精神分裂を行ったと記述するといらぬ誤解を招く恐れがあるので精神分割としたい。つまり、チロは最初の1個から2回分割して4個になった桃の精の1つである。残りの3個の行方は筆者も知らないが、チロは精神分割によって記憶が薄れていくことに気が付いたようである。少々無理があるが、人の精神はチロ以外の桃の精が膨大に分割したものという設定である。

 チロの望みは元いた神の世界に戻りたいということであるが、これも欲望の1種である。親玉に近い精が欲望を持つのだから、桃の精が分割して生まれた人の精神も欲望を持つのは至極当然である。ただ、分割するごとに欲望の質が変化していき現代のような人類が生まれたのである。人は必ず欲を持っていると考える。たとえば、酸素を吸って呼吸をしているのは欲ではないとするのも筆者には納得がいかない。自覚がないだけで、人の身体が酸素を欲求しているのだからである。欲を悪しきものだと考えているわけではなく、その欲の質というものも考えていきたい。なにやら支離滅裂な物語になりそうな予感がするが、次話からは物語の体裁を整えたいと切に願うものである。


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