表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脈流  作者: 智路
6 黎明の技術爆発
100/114

第17話 細胞分裂と誘導

第17話 細胞分裂と誘導

 人体を生育させるとき、いくつかのプロセスを経て受精卵から成体へとなる。そのプロセスをいくつかに分類したい。

①受精卵→胚(胚葉の分化)

②胚→各器官の形成

③各器官の形成→成体

④成体→老化

 尚、この話で④は扱わない。

① 受精卵→胚(胚葉の分化)

(a)1個の受精卵は卵割(細胞分裂)を行い複数の細胞となる。

(b)原腸の形成を行う。この原腸は口と肛門になる。

(c)(b)により細胞群は内胚葉、外胚葉、中胚葉の3つの部分に分かれる。

(a)について考えると、細胞が細胞分裂を行うことを誰から命令されているのであろうか?…疑問の1

(b)を陥入と呼ぶ。この陥入は誰からの命令なのであろうか?…疑問の2

(b)(c)の時、仮に細胞核の位置を頂点におきかえると、三次元の凹図形が出来上がる。fコーディックは三次元に拡張可能なため、胚は情報を持つことになる。そして、情報を持つということはプログラミングが可能であるということである。現段階では、胚のfコーディックは不明である。また、胚を構成する細胞のほとんどが万能細胞である。

②胚→各器官の形成

 胚の細胞は各器官に対応して、万能細胞から分化した細胞となる。各細胞はfコーディックにより個々が固有のIDを持つことが出来る。胚はプログラミングが可能であるからIDから各器官の細胞に分化させることができる。しかし、プログラミングをしているのは誰なのであろうか?…疑問の3

③ 各器官の形成→成体

 このプロセスは、fコーディックにより説明し難い。何故なら、①と②は部分の拡張であるが、このプロセスは部分から全体を構成するものだからである。つまり、fコーディックは、全体の中でしか機能しない。部分を全体とみなすときは機能するが、部分を集めて全体を作ることはできないということである。依って、fコーディックとは異なるプログラミング手法が必要となる。このプログラミングをしているのは誰なのであろうか?…疑問の4

 疑問の1~3と4が同一の誰かによって為されているのか不明である。神経細胞の配線(特に脳内)を考えると疑問の1~3と4は異質のものと感じられる。

 この物語の最初のころに人体を生育させるために設計図と構築手順と大工さんが必要であると考えた。疑問の1~3の構築手順は、fコーディックを用いれば説明できる。しかし、4の構築手順と誰が大工さんの役割をしているのか依然不明である。尚、ここで言う大工さんのことを誘導と呼んでいる。

 設計図はDNAであるが、DNAは部品だけを供給する。部品だけでは、配置を決定することはできない。fコーディックは配置を決定することができるが、器官という部分だけに適用できる。仮に、人体が人体と同じ大きさまで細胞分裂を繰り返し、そこから各器官に分化するのであれば、fコーディックで全てを説明できるが、それは現実と異なる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ